夏祭り ページ16
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とうとうこの季節がやってきた。そう、夏である。夏といえばイベントが盛り沢山、私が大好きな季節だ。で、何よりも楽しみなイベントは…
「夏祭り!」
そう、8月は都内だけでも何ヶ所か花火大会やら夏祭りやらが行われるのだ。お祭りと言えば屋台、屋台と言えば美味しいもの!去年ちらっとしか行けなかったから今度こそちゃんとお祭りに行きたいのである。勿論恵と。
「いこ、ね、行こうよ」
「あんまり人多いの得意じゃないんですけど」
「ほんの数時間でいいから!ね?」
というワケで、恵に猛アタック中の私。全く乗り気じゃなさそうだけど諦める訳にはいかないのだ。浴衣姿の恵…そんなん見れるチャンスは今回で最初で最後かもしれない。
「…わかりました」
「やったー!五条先生に浴衣の着付け頼んであるから、明後日のお昼すぎに先生の部屋行ってね」
「準備良すぎでしょ…つーか俺に断らせる気なかったんじゃないですか」
「当たり前じゃん」
そゆことだから、と手を振って鼻歌を歌いながら部屋に戻る。五条先生に駄々こねて買ってもらった浴衣が日の目を見る日が来るんだ。それからの私は上機嫌で、お祭りの日までの日数を指折りで数えていた。
真希に着付けをしてもらい(真衣ちゃんの着付けを日々してあげていたらしく手際が良かった)、下駄を履いて部屋を出る。自然と笑みがこぼれて、寮で偶然鉢合わせた野薔薇に自慢までしてしまった。
さて、五条先生に頼んだんだからもう恵の着付けも済んでいるだろう。五条先生の部屋に向かい、ノックをしてからドアを開いた。
「恵!終わった??」
「おーナイスタイミング!丁度終わったよ」
ドヤ顔で恵を振り向かせた五条先生。すごい、ちゃんと浴衣着てる。てかやば、どうしよう、かっこよすぎる。
「待っって、私今からこのイケメンと並んでお祭り行くの?」
「僕が育てました」
「マジでありがとう」
自分の浴衣のことなんてすっかり忘れてしまうほど目の前にいる浴衣姿の恵がかっこよくて仕方がなかった。うわ、先生ちょっと首元緩めにしてる、意味わかんない。
「ほら、恵も黙って突っ立ってないで。あれ、耳赤くない?Aに見蕩れてんの?」
「余計なこと言わないでください」
「え、そーなの」
やだ恥ずかしい、なんて両手を頬に当ててみせる。正直さっきまでは浴衣姿褒めて欲しいなーなんて思ってなかった訳でもなかったけど、でも今はもう何でも良かったとにかく浴衣姿の恵が眼福過ぎる。
「…早く行きましょう」
「うん!五条先生ありがとね!」
「お土産待ってるよーん」
早足に部屋の外に出てしまう恵の後を追いながら五条先生に手を振った。
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眠民。_ねむみん。 - 伏黒君推しというわけでは無いのですが、作者様に書くお話が本当に大好きです!!無理しない程度に頑張ってください!応援してます、大好きです!! (11月4日 10時) (レス) @page16 id: 03ba19f866 (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - ぽんかんさん» またまたコメントありがとうございます😭ほぼ現実逃避のために書いている作品なので私も生きている限り書き続けたいと思っております!伏黒くんと並べるほど好きだと言って頂けて…嬉しくてないてしまいます、これからもよろしくお願いします♡ (9月3日 0時) (レス) id: 97c232aa64 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんかん(プロフ) - 本編で永遠にくっつきそうでくっつかない距離感を愛でたい趣旨のコメントをした者です!本編がどうなろうとこちらは永遠にこの世が終わるその時まで連載していたらいいなと思います!!!!応援してます大好きです!!伏黒恵と同じくらい作者さんのお話が大好きです! (9月1日 22時) (レス) @page15 id: f2701b6134 (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - さくらさん» どちらもお読み頂けて嬉しいです💭恵くんと夢の国!ぜひ書かせて頂きます、素敵なリクエストありがとうございますт т ❤︎ (8月29日 22時) (レス) id: 97c232aa64 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 本編の方もこちらの方も愛読させてもらってます!☺️あのもしネタが切れたらでいいのですが「ディズニーランドに行ってみた」って感じのんもみたいです〜恵君とディズニー行きたいだけでs((殴これからも読みます!更新頑張ってください‼️ (8月28日 23時) (レス) id: b75e9c1e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無名 | 作成日時:2023年8月27日 19時