愛のフルコース【伏黒恵】

酔っ払い ページ2

⚠︎未成年の飲酒は犯罪です。絶対にやめましょう

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私はとあるものを手に入れた。冒頭の一文で大体察した方が多いだろう。そう、お酒である。

私服にキャップを被り、新宿のとあるらコンビニで入手したサワー系のお酒。アルコール含有量は約3パーセント、初めての飲酒には打ってつけだろう。部屋で一人缶を開け、生唾を飲み込んだ。



「めぐみー、めぐみいるー？」

ぼんやりとした意識の中でそう叫ぶ。ドンドンと目の前の扉を叩き続けると、ようやく恵か姿を現した。黒いダボッとしたスウェット姿に思わず胸が高鳴る。何着てもかっこいいとかずるすぎるでしょ。

「うるせぇな、今何時だと思って＿＿＿」
「今日もかっこいーねー」

顔を歪ませながらそうドアを開ける恵に口元が緩んだ。それから手元にある缶を見せて、一緒に飲もーよと誘う。

「おいしーよこれ、私3缶飲んだからあげる」
「…酒じゃねーか」
「そーだよ、でもジュースみたいなもん」

甘くて美味しいんだーと商品PRをすれば、突然手を捕まれそのまま部屋の中に連れ込まれた。びっくりして、ドキドキして恵を見上げれば、眉間に深いシワを刻んだ顔が現れる。

「マジで何してんすかあんた、未成年飲酒は立派な犯罪ですよ」
「言ったじゃん、ジュースみたいなもんだって」

何で怒るの、と口を尖らせる。そんなに怒ること？別にいいじゃんお酒ぐらい。ぐらぐらとした頭で考える。あー、なんか眠くなってきた。

「めぐみ眠い、たおれそう」
「自分の部屋に戻って寝てください」
「やだやだー、せっかくきたのに」
「…酔っ払いの相手とかしたことねーよ」

立っているのもめんどくさくなってそのまま恵の胸板に倒れ込む。咄嗟に伸ばされた腕に抱きとめられて、ついきゅんとしてしまった。恵のいい匂いがする。あーしあわせ、夢かな。

ふわふわとした気持ちでいっぱいになって、思わず笑みがこぼれた。そのまま頭をぐりぐりと擦り付け、恵の背中に腕を伸ばす。

「クソ、」

耳に飛び込んでくるのは少し荒くなった恵の吐息とそんな呟きだった。でもいーや、なんか夢っぽいし、知らない。このまま恵にくっついていよう。

「だいすき」

徐々にぼやけていく意識の輪郭。夢って夢だと思ったら覚めちゃうんだよね、確か。そんなことを考えながら瞼を閉じて、幸せな温もりの中に溺れていった。


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