みんなが幸せならそれで【天祥院英智】 (ページ5)

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【友人の敗北】ページ5

1ヶ月後、わたしは曲を渡した。

そこから、悲劇は始まる。

夏目を除く五奇人と呼ばれた友人達は
軒並みfineとの戦いに敗れた。

そして、私の作曲仲間だったレオも。
彼が愛するKnightsもボロボロになった。

……そう、私が、私の作った曲が
みんなを、友人を殺した。

五奇人は、バラバラになって
レオも行方をくらませた。

唯一の心の拠り所だったfineもバラバラになった。
いいや、バラバラだったのかもしれない。

五奇人狩りを進めていくうちに
日和と凪は、遊び呆けるようになり
練習なんてしない。
もともと、才能の塊だからそんなの要らなかったのかもね。

結局、私も英智の"本当"の友人にはなれなかった。
渉との戦いの後、お金を渡された。

「今までありがとう
　これがお礼だよ」

彼は私にそれを押し付けて去って行ってしまった。
青葉も同じだったようで。
日和と凪が転校したのち、青葉もfineを脱退。
fineは、英智ただ1人となり、彼は入院して前線を離れた。

「お主は何も悪くないから
　そんなに気を負わなくてもよい
　我らは誰もお主を恨んではおらんよ」

そう、零に言われた。
でも、私の曲でみんなが負けたことは変わりない。

そこからかな、私は曲が書けなくなった。
…違う、欠陥品しか書けなくなった。

何もしたくなくなった。

書いても書いても生まれるのは
暗い曲ばかり、アイドルになんて歌わせられない、

夢ノ咲は変わった。
生徒会が悪と判断したものは片っ端から、切り捨てられた。

そんな中現れたのはTricksterとあんずちゃん。
彼らがこの腐り切った学院を変えた。

それを機に五奇人たちは、少しずつ戻り
レオ、新入りを迎えKnightsも復活。

…みんな前に進んでる。

そう私だけだ。

いつまでも前に進めないのは。