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Side宮近
宮「ん、ケッホケホ…」
なんとなく息苦しい感じがして、目が覚める。ヒュー、と嫌な音がして、俺はすぐに体を起こした。
コントロールできるから大丈夫、なんてメンバーに言ったその日の夜に発作を起こすなんて、全然笑えない。俺はうんざりしながら、枕もとの吸入器を手に取った。
宮「……ハァハァ…はひゅ、っす、ゼーハー…」
薬を吸い込んだ後は、ぬいぐるみを抱きしめて呼吸が落ち着くのを待つ。長年の付き合いだなんて言っておいて、こうしていないと発作のときは今も怖くてたまらないんだ。
ぬいぐるみを抱いたまま、窓の方に目を向ける。閉め切ったカーテンの向こうが、ほんのり明るい。
今日は、早い時間からダンスレッスンの予定だ。もう一回寝るより、もう支度をしてしまった方がいいかもしれない。睡眠不足の頭は重たいけれど、今は1人でいるより早く誰かのそばに行きたくてたまらなかった。
如「お、ちゃか。おはよう。」
レッスン室に着くと、来ていたのはまだ如恵留1人だけだった。俺の顔を見て、すぐに何かを察したような表情になる。
如「もしかして、調子悪い?」
宮「……ちょっとだけ。」
嘘をついても隠し切れないと思って、笑顔でぼかしつつ頷く。
宮「ダメだと思ったら、すぐやめるから。」
レッスンに出ることを止められると思って、如恵留より先に口を開く。如恵留は、困ったように眉を下げて俺の背中をさすった。
如「…絶対無理はしないって、約束できる?」
うん、と頷いたとき、ちょうどレッスン室のドアが開く音がした。
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おさと(プロフ) - ぷりんさん» ぷりん様、こんばんは!続編のリクエスト、とても嬉しいです😭詳細な内容をありがとうございます!またまた長くお待たせしてしまいますが、どうか気長にお待ちください💦 (2022年9月21日 19時) (レス) id: d73b661cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →あるサラリーマンには煩いと怒鳴られ殴られる。それでも元太を助けたい一心で諦めずに声を出して喚き続ける海人に救いの手が。優しい通行人が事情に気づいてくれ、救急車を呼んでくれて元太は一命を取り留める。長くてすみませんがどうかよろしくお願いします😭 (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →急病人がいること、住所を懸命に声に出すが上手く発音できないので全く伝わらない。このままでは元太が死ぬと思った海人は紙に事情を書いて裸足のまま家を飛び出て、言葉にならない声で助けを求めて叫ぶ。訳の分からない大声を出す様子を見た通行人は皆侮蔑の目を向け (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →元太はブラック企業に勤めており、ある日過労から突然心臓発作で呻き声を上げて倒れる。様子がおかしいと気づいた海人が大声で呼びかけるが反応はない。白目を剥き土色になってく元太を見た海人は、救急車を呼ぶため人生初の電話を決意する。自分は耳が聞こえないこと (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 遅くなりすみません!「チョコよりあまい」とってもよかったです!書いていただきありがとうございます✨今更なのですが、続編をリクエストしても良いでしょうか?社会人になった2人はルームシェアしていた。海人は相変わらず発音が上手く出来ないが懸命に暮らしていた (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさと | 作成日時:2022年8月28日 16時