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「…お前も、がんばってんだな。」
しみじみと言うそいつの視線が兄貴に向いていることに気づいて、軽く吐き気を覚える。それでも学生の頃みたいにキレることができないのは、俺も大人になったということなんだろうか。
「俺、お前にも幸せになってほしいわ。」
こいつ、何様だ？俺が不幸だって言いたいのか？お前に何が分かる？
内心は叫び散らかしたい気持ちでいっぱいなのに、何も言葉が出てこない。俺は兄貴の手を握りなおして、小さく息を吐いた。
海「…わりい、ちょっと急ぐから。」
俺は兄貴の手を引いてその場を離れると、かごに食材を次々投げ込んですぐに会計を済ませた。
その後どうやって家まで帰ったか、あまり記憶がない。
ほっと息をつけたのは、家に帰って昼飯を食い終わった後だった。
数日に一回くらい、兄貴は食後に昼寝をする。今日は眠そうだったから一緒に寝室に移動して、布団を敷いてあげた。
海「…兄貴？」
布団の上に立った兄貴の目が、急にうつろになる。マズい、と思ったときには、もう兄貴の体がバッタリと仰向けに倒れていた。
全身の激しい震えに、いびきと似ているようで違ういびつな音。一瞬で、てんかんの発作だと分かった。
海「…だ、大丈夫。大丈夫だから、」
1日に2回も発作を起こしているところを見るなんて、かなり珍しい。発作が増えている、と言った今朝の母親の声がまた聞こえたようで、体の震えが止まらなくなった。
海「兄貴、なあ兄貴？どうしたんだよ？」
いつも通り対処すれば大丈夫だと自分に言い聞かせて時計を確認していたのに、発作の治まる気配がない。治まったと思えば間髪入れずにまた発作が始まる状況は、どう見てもいつもと違った。
１，１，９
たったこれだけの番号を打つのに、俺は何度もスマホを落とした。泡を吹いて苦しみ続ける兄貴の姿から、目をそらさないようにするのがやっとだった。
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おさと(プロフ) - ぷりんさん» ぷりん様、こんばんは！続編のリクエスト、とても嬉しいです😭詳細な内容をありがとうございます！またまた長くお待たせしてしまいますが、どうか気長にお待ちください💦 (2022年9月21日 19時) (
レス) id: d73b661cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →あるサラリーマンには煩いと怒鳴られ殴られる。それでも元太を助けたい一心で諦めずに声を出して喚き続ける海人に救いの手が。優しい通行人が事情に気づいてくれ、救急車を呼んでくれて元太は一命を取り留める。長くてすみませんがどうかよろしくお願いします😭 (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →急病人がいること、住所を懸命に声に出すが上手く発音できないので全く伝わらない。このままでは元太が死ぬと思った海人は紙に事情を書いて裸足のまま家を飛び出て、言葉にならない声で助けを求めて叫ぶ。訳の分からない大声を出す様子を見た通行人は皆侮蔑の目を向け (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →元太はブラック企業に勤めており、ある日過労から突然心臓発作で呻き声を上げて倒れる。様子がおかしいと気づいた海人が大声で呼びかけるが反応はない。白目を剥き土色になってく元太を見た海人は、救急車を呼ぶため人生初の電話を決意する。自分は耳が聞こえないこと (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 遅くなりすみません！「チョコよりあまい」とってもよかったです！書いていただきありがとうございます✨今更なのですが、続編をリクエストしても良いでしょうか？社会人になった2人はルームシェアしていた。海人は相変わらず発音が上手く出来ないが懸命に暮らしていた (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2022年8月28日 16時
