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如恵留が眠りに引きずり込まれないように、俺たちは声をかけ続けた。そんな俺たちに応えるように如恵留が手を握り返してくれるから、俺たちも余計に必死になった。
お医者さんは間に合わないかもしれない、と言っていたけれど、そんなの関係ない。俺たちの声は、確かに届いてる。そう、思えていた。
倉「しめ、今こっちに向かってるって！」
宮「ほんと？よかったね、如恵留―…………如恵留、？」
如恵留の手と俺の手の間に隙間ができて、スッと空気が通る。明らかに、如恵留の手から力が抜け始めていた。
元「…っ如恵留！しめ、まだ来てないよ！ダメだって、！」
メンバーがいくら叫んでも、如恵留から感じられる力はどんどん弱くなっていく。うっすら開いている目が、ほんの少しだけうるみ始めたように見えた。
宮「……如恵留っ、」
信じられないくらい甘えた声が、自分の口からもれ出てしまう。ダメだ。最後の最後で俺がこんなんじゃ、如恵留が安心できない。
俺は咳払いをして、如恵留の耳元に顔を近づけた。
宮「『さよなら』はなしでいいよね？俺たち、嫌でもまたどっかで会うことになる気がするから。……もちろん、しめもね。」
言い終わるのとほぼ同時に、無情な機械の音が部屋に響き渡る。如恵留がお医者さんや看護師さんに囲まれてしまう直前、如恵留の目から一筋涙が流れ落ちたように見えた。
これでいい、これでよかったんだ。十分がんばってくれた如恵留に、自分を責めたまま旅立ってほしくなかった。
ねえ、如恵留。俺の声、ちゃんと聞こえてた？少しは気持ち、楽にできたかな？
俺も、みんなも、ここにはいないしめだって。本当はもう一度聞きたかったんだよ、如恵留の言葉。
どんなに短くてもよかった。「そうだね」でも、「わかった」でも、いっそ「バカ」とかでもいい。
表に出るときの高い声でも、プライベートの少し低めの穏やかな声でも、どっちだってよかったのに。
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おさと(プロフ) - ぷりんさん» ぷりん様、こんばんは！続編のリクエスト、とても嬉しいです😭詳細な内容をありがとうございます！またまた長くお待たせしてしまいますが、どうか気長にお待ちください💦 (2022年9月21日 19時) (
レス) id: d73b661cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →あるサラリーマンには煩いと怒鳴られ殴られる。それでも元太を助けたい一心で諦めずに声を出して喚き続ける海人に救いの手が。優しい通行人が事情に気づいてくれ、救急車を呼んでくれて元太は一命を取り留める。長くてすみませんがどうかよろしくお願いします😭 (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →急病人がいること、住所を懸命に声に出すが上手く発音できないので全く伝わらない。このままでは元太が死ぬと思った海人は紙に事情を書いて裸足のまま家を飛び出て、言葉にならない声で助けを求めて叫ぶ。訳の分からない大声を出す様子を見た通行人は皆侮蔑の目を向け (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →元太はブラック企業に勤めており、ある日過労から突然心臓発作で呻き声を上げて倒れる。様子がおかしいと気づいた海人が大声で呼びかけるが反応はない。白目を剥き土色になってく元太を見た海人は、救急車を呼ぶため人生初の電話を決意する。自分は耳が聞こえないこと (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 遅くなりすみません！「チョコよりあまい」とってもよかったです！書いていただきありがとうございます✨今更なのですが、続編をリクエストしても良いでしょうか？社会人になった2人はルームシェアしていた。海人は相変わらず発音が上手く出来ないが懸命に暮らしていた (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2022年8月28日 16時
