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Side宮近
元「ちゃか、」
耳元で声がして薄く目を開くと、元太が心配そうな表情で俺の顔を覗き込んでいた。
なんで？みんなのところに戻りなよ。
そう言いたかったのに、まだ声が上手く出せない。元太は、そんな俺を見て少し悲しそうに笑った。
元「ちゃか、横になってんのきつくない？」
マットと体の間に手を滑り込ませて、元太が起き上がるのを手伝ってくれる。なんとか起き上がって壁にもたれかかると、元太も隣に座って自分の肩をポンポン叩いた。
元「寄っかかっていーよ。」
若干照れくさそうな笑顔に、いつだか2人で過ごした夜を思い出す。たしかあの時も、元太に肩をかりて寝ちゃったんだっけ。
元「最近いきなり寒くなったもんなー。俺も鼻水出るし、今日はサボっちゃおうかなって。」
俺が元太の肩に頭をのせると、元太はわざとらしく鼻をすすった。これも、元太の優しさだ。サボりとか言ってるけど、きっと俺が心細くなっていることに気づいてくれたんだろう。
元「…ちゃか、ごめんな。」
急に元太の声が湿っぽくなって、思わず肩によりかかっていた頭を浮かせる。じっと元太の目を見つめると、元太は悲しそうにうつむいた。
元「みんなに喘息のこと話すの、本当は嫌だったよなって。さっき吸入器なかなか出そうとしないの見て、なんか……」
そんなことないっていったら嘘になるけど、でも遅かれ早かれこういうことが1回は起きたかもしれない。やっぱりメンバーには秘密にしておくべきじゃないって、今は本当にそう思えてる。
俺は首を横に振りながら、ジャージの上で握りしめられた元太の手にそっと触れた。
宮「…あり、がと、」
たくさんは話せないから、この一言に伝えたい気持ちを込める。メンバーに話した方がいいと言ってくれたこと、助けてくれたこと、隣にいてくれること―
キョトンとした表情で俺を見ていた元太の顔に、じんわりと明るい笑顔が広がる。元太は、俺が頭を乗せてる左肩の方に小さく頭を傾けた。
元「ちゃかの隣、俺が一番乗りだから。」
へへっと、やっぱり照れくさそうな笑い声。誇らしげに弾んだ息づかいがなんだかかわいくて、思わず笑顔がこぼれた。
「一番乗り」fin.
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おさと(プロフ) - ぷりんさん» ぷりん様、こんばんは！続編のリクエスト、とても嬉しいです😭詳細な内容をありがとうございます！またまた長くお待たせしてしまいますが、どうか気長にお待ちください💦 (2022年9月21日 19時) (
レス) id: d73b661cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →あるサラリーマンには煩いと怒鳴られ殴られる。それでも元太を助けたい一心で諦めずに声を出して喚き続ける海人に救いの手が。優しい通行人が事情に気づいてくれ、救急車を呼んでくれて元太は一命を取り留める。長くてすみませんがどうかよろしくお願いします😭 (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →急病人がいること、住所を懸命に声に出すが上手く発音できないので全く伝わらない。このままでは元太が死ぬと思った海人は紙に事情を書いて裸足のまま家を飛び出て、言葉にならない声で助けを求めて叫ぶ。訳の分からない大声を出す様子を見た通行人は皆侮蔑の目を向け (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - →元太はブラック企業に勤めており、ある日過労から突然心臓発作で呻き声を上げて倒れる。様子がおかしいと気づいた海人が大声で呼びかけるが反応はない。白目を剥き土色になってく元太を見た海人は、救急車を呼ぶため人生初の電話を決意する。自分は耳が聞こえないこと (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 遅くなりすみません！「チョコよりあまい」とってもよかったです！書いていただきありがとうございます✨今更なのですが、続編をリクエストしても良いでしょうか？社会人になった2人はルームシェアしていた。海人は相変わらず発音が上手く出来ないが懸命に暮らしていた (2022年9月20日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2022年8月28日 16時
