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Side海人
海「…海斗!」
廊下に飛び出すと、海斗はそんなに離れていない所で壁に寄っかかっていた。
海「海斗、大丈夫?足痛い?」
宮「い、痛くない…。」
そんなこと言いながら、海斗は歯を食いしばって肩で息をしていた。俺から離れようとして一生懸命体に力を入れてるけど、全然足が上がってない。
宮「お前、何で来たの。あいつに謝んのが、先だろ…。」
海「だってあいつ、お前のこと障がい者とか、最低なこといっぱい言った。バカにしてんのかって言ったら、否定もしなかった。」
宮「………でも、間違ってねえよ。」
海「は?」
宮「俺が障がい者って、間違ってねえんだよ。骨がくっつくまで杖つくとか、そういう話じゃない。足が麻痺してんだよ、もう言うこと聞かねえんだよ。そのくせ痛むし、しびれるし…」
固まってる俺の肩を、海斗が弱く小突く。よろけた俺を、海斗は涙のたまった目でにらんだ。
宮「脊髄損傷だよ。もう、一生このまんま。お前わかる?幼馴染の態度も変わって、これからずっと可哀そうって思われなきゃいけない、この気持ち。」
一気にしゃべって、海斗は辛そうにうつむいた。セキズイとかなんとか、バカな俺には処理できない言葉が頭の中でぐるぐる回ってる。
それでも、いつの間にか口が勝手に動いていた。
海「……俺は、変わってねえよ。」
宮「は?」
海「好きなやつが困ってたら何とかしてやりたいし、悪く言われたらめちゃくちゃムカつく。障がいがどうとか可哀そうとか、そういうんじゃなくて、俺はもとからずっとそうだよ。」
言い終わってから、どんどん耳が熱くなってくる。好きなやつって何だ。また日本語を間違えた。ヤバい、海斗にキモいって思われる。
何か他のことを言わなきゃ、なんて焦りながら、口を開いたときだった。
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おさと(プロフ) - ユルピさん» ユルピ様、コメントありがとうございます!素敵なリクエストをいただき、ありがとうございました!よろしければ、最後までお付き合いいただけますと幸いです! (2022年11月27日 19時) (レス) id: 9a83433ded (このIDを非表示/違反報告)
おさと(プロフ) - るるちゃさん» るるちゃ様、ご無沙汰しております!もちろん覚えております!!素敵なリクエストを、本当にありがとうございました。読み返していただいていたとのこと、本当に嬉しいです。最後までお楽しみいただけるよう頑張りますので、今後ともお付き合いいただければ幸いです! (2022年11月27日 19時) (レス) id: 9a83433ded (このIDを非表示/違反報告)
ユルピ - 如恵留くんのリハビリのお話見ました!とても感動的で心が暖かくなりました!この小説が最後になるのは寂しいですが、残りも頑張ってください! (2022年11月26日 20時) (レス) @page27 id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
るるちゃ(プロフ) - 楽しみになっていました。暇な時に何回も何回も読み直し〜なども良くやっていました(笑)今後もそれを続けていきたいと思います。残りの作品を目一杯楽しみます。本当に本当にこの作品が今までにないくらい大好きです。おさとさんありがとうございました!! (2022年11月26日 20時) (レス) id: 08c89fe430 (このIDを非表示/違反報告)
るるちゃ(プロフ) - 久しぶりに見させて頂きました。覚えているかは分かりませんが何回かリクエストさせて頂いた元「kai」「海輝」という者です。久しぶりに占いツクールを見てこの作品に辿り着いたのですが終わってしまうと思うと凄く寂しいです。沢山リクエストさせて頂いて毎日の (2022年11月26日 20時) (レス) id: 08c89fe430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさと | 作成日時:2022年11月12日 16時