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Side龍也
龍「如恵留、大丈夫かな…。」
ベッドの上で寝てる如恵留を見ながら、小っちゃい声でつぶやく。
部屋とトイレを何回か行ったり来たりしていた如恵留は、ついさっき疲れ切ったみたいに眠ってしまった。吐き気はよくなってきたのかもしれないけど、まだ顔色は悪いし息切れもしてるから辛そうなのは変わらない。
海「飲まず食わずで吐いてばっかだからさ、めっちゃ消耗するんだよ。」
龍「だよね…。」
海「起きたらこれ飲めるか聞かなきゃな…。脱水怖いし。」
龍「何それ?」
海「これ?うーんと……ケーコウホスイエキ」
龍「…へぇ。」
よくわかんないけど、さすが経験者。ペットボトルを抱えて冷蔵庫の前から戻ってきた海人は、いつもよりずっと頼りがいがあるように見える。
如「……うぅ、」
海「あ。如恵留くん、起きた?」
ナイスタイミングって感じの顔をして、海人がベッド脇に膝をつく。ペットボトルを振って見せると、如恵留はゆっくりと体を起こした。
海「ちょっとずつでいいから。」
そう言って海人がコップに注いでくれた水を、如恵留は重い物を持つみたいに両手で受け取った。
龍「…如恵留?」
如恵留はそのままコップに口をつけようとしたけど、途中でピタッと止まってしまった。だるまさんが転んだみたいに本当に1ミリも動けなくなった如恵留の目を、慌てて覗き込む。
龍「……しんどいね。一回もらうよ?」
じわじわ目が潤んできたのを見て、俺は如恵留の手からコップを抜き取った。空っぽになった両手が、だらんと下に落ちる。
如「……ごめんっ、」
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おさと(プロフ) - ユルピさん» ユルピ様、コメントありがとうございます!素敵なリクエストをいただき、ありがとうございました!よろしければ、最後までお付き合いいただけますと幸いです! (2022年11月27日 19時) (レス) id: 9a83433ded (このIDを非表示/違反報告)
おさと(プロフ) - るるちゃさん» るるちゃ様、ご無沙汰しております!もちろん覚えております!!素敵なリクエストを、本当にありがとうございました。読み返していただいていたとのこと、本当に嬉しいです。最後までお楽しみいただけるよう頑張りますので、今後ともお付き合いいただければ幸いです! (2022年11月27日 19時) (レス) id: 9a83433ded (このIDを非表示/違反報告)
ユルピ - 如恵留くんのリハビリのお話見ました!とても感動的で心が暖かくなりました!この小説が最後になるのは寂しいですが、残りも頑張ってください! (2022年11月26日 20時) (レス) @page27 id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
るるちゃ(プロフ) - 楽しみになっていました。暇な時に何回も何回も読み直し〜なども良くやっていました(笑)今後もそれを続けていきたいと思います。残りの作品を目一杯楽しみます。本当に本当にこの作品が今までにないくらい大好きです。おさとさんありがとうございました!! (2022年11月26日 20時) (レス) id: 08c89fe430 (このIDを非表示/違反報告)
るるちゃ(プロフ) - 久しぶりに見させて頂きました。覚えているかは分かりませんが何回かリクエストさせて頂いた元「kai」「海輝」という者です。久しぶりに占いツクールを見てこの作品に辿り着いたのですが終わってしまうと思うと凄く寂しいです。沢山リクエストさせて頂いて毎日の (2022年11月26日 20時) (レス) id: 08c89fe430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさと | 作成日時:2022年11月12日 16時