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Side海人
海「えぇ、ちょ、なんで閉めんの?」
閉められそうになったドアを、俺としめで慌てて押さえる。普段の倍はうるうるしてる如恵留くんの目が、俺たちを映した。
龍「意地張んなくていいから。如恵留、今めっちゃ甘えたいモードの顔してるよ。」
やけに自信たっぷりに言うと、しめはそのまま如恵留を押し切って家の中に入った。強引なその背中に続いて、俺もちゃっかり中に上がらせてもらう。
龍「今どこがしんどいの?」
如「熱あるのと、あと、気持ち悪い…。」
そう言って、如恵留くんがベッドに沈み込む。
やっぱり、俺のがうつっちゃったんだ。そう思った俺の頭の中を見透かしたみたいに、如恵留くんが軽く体を起こして俺の方を見る。
如「海人のせいじゃ、ないから。本当に、大丈夫だから。」
切れ切れにしゃべる如恵留くんがあまりに辛そうで、逆にいつまでも落ち込んでるわけにはいかなくなった。うん、と俺が頷いたのを見届けた如恵留くんの真っ青な顔が、だんだん苦しそうに歪みだす。
海「吐きそう?」
返事をする余裕もなかったみたいで、如恵留くんはそのままトイレの方に走って行ってしまった。
如「うぇ……ゲッホゲホ………」
苦しそうな声を聞きながら、またどうしようもなく申し訳なくなる。固まってる俺の横で、しめは立ったり座ったりを繰り返していた。
龍「これ、行ってあげた方がいいのかな…。」
海「いや、まだいいと思う。ていうか、お前はいかない方がいいかも。」
そっか、と肩を落としたしめを見て、俺は逆に背筋が伸びた。
せっかく来たんだから、突っ立ってるだけじゃダメだ。まずは俺にできることをやらなきゃ。
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おさと(プロフ) - ユルピさん» ユルピ様、コメントありがとうございます!素敵なリクエストをいただき、ありがとうございました!よろしければ、最後までお付き合いいただけますと幸いです! (2022年11月27日 19時) (レス) id: 9a83433ded (このIDを非表示/違反報告)
おさと(プロフ) - るるちゃさん» るるちゃ様、ご無沙汰しております!もちろん覚えております!!素敵なリクエストを、本当にありがとうございました。読み返していただいていたとのこと、本当に嬉しいです。最後までお楽しみいただけるよう頑張りますので、今後ともお付き合いいただければ幸いです! (2022年11月27日 19時) (レス) id: 9a83433ded (このIDを非表示/違反報告)
ユルピ - 如恵留くんのリハビリのお話見ました!とても感動的で心が暖かくなりました!この小説が最後になるのは寂しいですが、残りも頑張ってください! (2022年11月26日 20時) (レス) @page27 id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
るるちゃ(プロフ) - 楽しみになっていました。暇な時に何回も何回も読み直し〜なども良くやっていました(笑)今後もそれを続けていきたいと思います。残りの作品を目一杯楽しみます。本当に本当にこの作品が今までにないくらい大好きです。おさとさんありがとうございました!! (2022年11月26日 20時) (レス) id: 08c89fe430 (このIDを非表示/違反報告)
るるちゃ(プロフ) - 久しぶりに見させて頂きました。覚えているかは分かりませんが何回かリクエストさせて頂いた元「kai」「海輝」という者です。久しぶりに占いツクールを見てこの作品に辿り着いたのですが終わってしまうと思うと凄く寂しいです。沢山リクエストさせて頂いて毎日の (2022年11月26日 20時) (レス) id: 08c89fe430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさと | 作成日時:2022年11月12日 16時