#7 ページ7
数日後。
『幹部。終わらせましょう』
｢やる気でなぁい｣
取引書類やら報告書やら……山となった己の執務机に一切手を伸ばそうとはしない何時もの幹部に頭を悩ませていた。
目に見える書類には締め切りが今日の日付がある。
『首領に怒られるの自分なんですからね。厭ですよ』
｢んー、一寸気に食わない｣
『何がですか』
｢其の一人称｣
机に突っ伏す太宰幹部が私をじとーっとした目で見つめていた。
｢A
”私”でもいいのだよ？｣
『……何かむず痒いので厭です』
｢一寸だけ使ってみてよ！｣
厭です。良いじゃん。無理です。
なんて攻防続けて数分。
｢うわぁーん……云ってくれないのぉ…｣
『泣き真似なんて通用するとでも？』
｢うわぁあん！｣
再び突っ伏す幹部。
子供か。
……どうも厭なのだ。
”私”って云うと…なんか、うん。
───似合わねぇ……。
心の何処からか聞こえてくる。
きっと本音だ。
突っ伏す幹部に仕方無く、
近づいて机に手を置き、彼に云う。
『幹・部。
書類一緒にやりましょうよ』
｢……｣
『私とやりましょうか、幹部』
顔を上げた幹部。
珍しく目を見開いていた。
…嬉しそうに細めてはにかむ。
少年みたいな柔らかさがあった。
｢うん、やる｣
ノリノリに書類の山へ手をつけていく太宰幹部に呆気にとられていた。
さっきのやる気の無さは何処へ。
……こんな嬉しそうな顔するんだ。
冷徹と言われてる表面とは温度が違いすぎる。
幹部補佐の特権は、
此の様に皆が知らない幹部の事を、
見られることかもしれない。
私も其の山の一部を取って来賓用の机でペンを走らせた。
｢……別に”私”でも善いんじゃない？｣
ぽつり、と幹部が呟いた。
ペンを止めて固まる私。
『……変えられたら、自分を改めます』
｢……否、どっちでもいいよ。
Aの好きな一人称が一番だ｣
……一番、か。
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夢霧 - 完結おめでとうございます!とても面白い作品でした!これからも応援してます！ (7月24日 0時) (
レス) @page50 id: e94716759e (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - はぁ〜！！めっっっっっっっちゃ面白かったです！学校欠席して読みました！！I'm fine！！←多分コロナww (7月12日 21時) (レス) @page50 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 見ているこっちがドキドキしました！もうかわいい！面白かったです！ (2022年7月5日 20時) (レス) @page50 id: ed520dee7f (このIDを非表示/違反報告)
佐々木夕奈(プロフ) - 神作最高です😭👏✨ (2022年2月11日 20時) (レス) @page50 id: c6097af849 (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！😭😭めちゃくちゃ面白かったです！！こっそり見さしていただいておりました、、！！！読み返してきます！！お疲れ様でした！ (2022年2月5日 9時) (レス) @page48 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白氷 | 作成日時：2022年1月6日 19時
