【文スト】女だなんて聞いてない。

#41 ページ41

｢ご機嫌だな太宰。例の、か｣




隣に座る織田作。

緩んだ頬で頬杖をつく。








｢早く帰って顔みたいなァ…きっと、

今のは照れてたようん｣




｢口説いたのか。善い覚悟だな｣



｢そんな軽い女の子じゃないよ｣








きっぱりと言い切る。

君に善い覚悟も悪い覚悟もあるのかな。





顔を手で覆って本音を吐き出した。








｢彼女と付き合いたい…｣




｢式挙げるなら俺も呼んでくれよな｣



｢気が早いよ織田作｣








彼女を愛してると言葉にしてないのに。

君は気が早い。





｢織田作もまだいける顔だよ。
口説いてしまえば善いのさ｣


｢俺には子供達が居るから要らない｣









格好いい事云っちゃって。







｢太宰、｣







｢ん？｣







蒼い目が細められる。

柔らかな眼差しだ。



















｢ 幸せになれ ｣















.

.






『太宰幹部、』





ゆさゆさと肩を揺さぶられ瞼を開けた。

ぼんやりと微睡む視界。




『疲労の所申し訳ございません。
拠点へ到着しました』







……車の中だ。

あぁ、そうだ。

…＿＿








『幹部、顔色が優れないようですが……』








Aの顔が近い。




無意識に手を伸ばした。










『寝惚けてますか？』








頬に滑らす指から伝わる体温。


…白い割には暖かい。



















＿＿＿『かん、ぶ……？』

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