【文スト】女だなんて聞いてない。

#33 ページ33

『首領といったら、
もう微笑みながら治療してきたんですよ。あんな地獄の治療は二度と受けたくありません…』




｢へぇ、とんでもない治療受けたんだね｣



『何度肌を触られた事だか……』


｢……｣






『なので怪我だけはもうしません』項垂れながら酒を呷るA。





一杯だけだと言っていた割りには、

二杯目に突入していた。






頬を紅くさせながらぐちぐち喋る様子からするに、酔うと饒舌になるらしい。







『聞いてくださいよぉ…。

また今日も告白されて脅されかけたんです』







…男か。





『中原幹部に助けて貰いまし＿＿』










お喋りなお口に蟹を入れた。


蟹を受け取り、

口をもごもご動かして静かに食するA。







何時もなら『何するんですか』と反論してくるのだが、酔いは凄い。







大人しく私のする事を全て受け入れてくれる。









火照ってる頬に指を滑らせて、

私は問いかけてしまった。










｢君に想いの人は居るのかい？｣

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