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「時にどうしようもなく
___…情けねェな
ポケットから出た肌白い手は微かに震えていました。
太宰君はその様子を見て目を失せます。
不安に揺れる空色の目が貴方に近づきます。
「例え異能を使っても手前は離れてしまうんだろ。俺等の前から姿を隠すんだろ」
黙る貴方の腕を掴む中也君の瞳に映るのは貴方だけ。
何れ辿り着く未来を彼等は分かっています。でも、信じたくない。
「A」
包帯に巻かれた手が貴方の手に重なります。
「君が居ない世界だなんて、生きていたくない。生きてく意味なんて掴めやしないよ」
貴方が与えてくれる色彩のある世界。
初めて此処に居たいと、思えた世界なんです。
____行かないでA。
____離れないでくれA。
少年二人の縋る声。
貴方は彼等の手をとり、穏やかな表情で受け入れます。
『じゃあ、約束をしようか』
「約束…?」
『約束といっても、私からのお願いに近いものだけど…』
「構わないよ」
「嗚呼」
本来は繋がりの無い彼らとの、
唯一の
『私をまた困らせてよ』
二人との日常が突然消えてしまっても、
彼等が忘れたとしても、
貴方が、
もしくは彼等が思い出すきっかけになるかもしれません。
「それでいいの…?」
「迷惑になるんじゃねぇの…」
『それでいいの。むしろ沢山迷惑かけてほしい。その方が私は幸せだよ』
貴方の言葉に目を見開いた彼等。
嬉しそうにはにかんで、小指を絡ませます。
「約束だ」
「忘れないよ」
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聖良(プロフ) - 初コメ失礼します。この作品とても好きです。更新頑張ってください。ずっと応援しています。 (2023年1月15日 11時) (レス) @page47 id: 6b3156758f (このIDを非表示/違反報告)
白氷(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» ゆっくり更新ですが、気長に待ってくださると嬉しいです…!ショタは永遠です。これからも【双黒の育て方】をよろしくお願い致します! (2022年8月15日 21時) (レス) id: 390407dfce (このIDを非表示/違反報告)
白氷(プロフ) - まるさん» お久しぶりです。なかなか更新できる時間が少なく、更新を滞っていました……全部見直してくれるだなんて本当に嬉しいです。更新気長に待って下さい…! (2022年8月15日 21時) (レス) @page45 id: 390407dfce (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - また更新してほしいです。推しのショタって神ですよね(´∀`*)ウフフ (2022年7月30日 1時) (レス) @page43 id: 50d700a5ed (このIDを非表示/違反報告)
まる - お久しぶりです!最近はなかなか更新の連絡がないので少し心配でした(-_-;) いま、全部見直してきた所なんですが、やっぱり神ですね。死ぬほど神です。更新永遠に待ってます (2022年7月4日 23時) (レス) @page43 id: 5775e80e82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白氷 | 作成日時:2021年10月23日 17時