虹色

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伊野尾side


パリンッ


みんなで話しているとどこからかそんな音がした。


どうやらスタッフさんがコップを落としてそれが割れちゃったみたい。


片付けるからってみんな席を立ってその場所を避けるように移動する。


そんな時、俺の隣にいた大ちゃんがいなくなっているのに気づいた。


伊「あれ、大ちゃん…」


パッと下を見るとしゃがみ込んでいる大ちゃんがいた。


伊「大ちゃんどうしたの……大ちゃん？」


有「はぁっ、はぁっ、やだ…嫌だ嫌だ……やめて…はぁっ…」


伊「大ちゃん？どうしたの！？」


そんな俺の声でみんなが大ちゃんに気づいて集まってくる。


高「有岡くん…？」


有「やめてっ…はぁっ…くるし……はぁっ」


大ちゃんは首元を抑えて苦しそうにしながらやめてと呟く。


過呼吸気味になっていてうまく呼吸が出来なさそう。


伊「大ちゃん？ゆっくり息しよう？」


八「大ちゃん、大丈夫だよ。落ち着いてね、スーハーってしてみて？」


光が大ちゃんの背中をさすりながら優しく問いかける。


薮と高木は必要そうな物を探しに行ってくれた。


有「はぁっ、はぁっ、…嫌、だっ…はぁっ」


それでも大ちゃんは光の手を押しのけて嫌だと言うだけで落ち着かない。


薮「水とか持ってきたけどっ、大ちゃんどう？」


八「全然、話しかけても嫌だとしか言わなくて、すごい苦しそう」


俺は大ちゃんの手をぎゅって握って話しかける。


伊「大ちゃーん。苦しいでしょ？ゆっくり深呼吸して？」


有「いのちゃ…はぁっ…はぁ…怖い…はぁ…」


伊「そう。ゆっくりね。何も怖いものないよ、大丈夫」


大ちゃんは俺の言葉を聞いてくれたのかゆっくり深呼吸し始めた。

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