虹色

3 ページ24

山田side


絶賛いたジャンの収録中。


さっき1本目は撮り終えて今は2本目の収録をする。


今日は2本撮りだから長いんだよなー…
あーゲームしたい…


って思ってたけど仕事はちゃんとしますよ！


VTRが流されてみんなでそれを見る。


笑いがおこったり、いろんなところからツッコミが入ったりする。


今のVTRは俺がロケに行ったやつだからみんなの反応が気になるな。


俺の隣には一緒にロケに行った伊野尾ちゃんがいる。


VTRに夢中で全然気づかなかったんだけど、隣の伊野尾ちゃんが静かな事に気づいた。


伊野尾ちゃんも自分がロケに行ったVTRだからみんなの反応が気になるのかな？


何て思いながらチラッと伊野尾ちゃんを見ると目を瞑りながらこめかみの部分を押さえている。


え、どうしたんだろう…


伊「ん…ふぅ……」


隣にいる俺にしか聞こえない小さな苦しそうな声を出す。


いや…集中、集中！


収録中なんだからちゃんとしとかないと。


そんな事を思ってまたVTRを見ていると俺の服の袖が引っ張られた。


それは隣の伊野尾ちゃんの所から。


伊「や…まだ……」


眉毛を寄せながらどこか苦しそうな表情。


山「え、伊野尾ちゃんどうしたの？」


みんなに聞こえないように話す。


伊「…いったいっ……っ……」


そう言いながらまたこめかみを押さえながら目を瞑る。


山「え、どこ痛いの？頭？」


相当痛いのか涙目になりながら俺の服をぎゅっと強い力で握る。


その握る手は震えていた。


伊野尾ちゃんが俺を頼るなんてよっぽどなんだ…


ずっと我慢してたのかな…


どうしよう……



山「す、すみません！ちょっとカメラ止めてもらってもいいですか？」


そう言うとカメラが止まった。


八「山田どうした？」


山「伊野尾ちゃんが…」


みんながいっせいに伊野尾ちゃんの方を見る。


伊野尾ちゃんはそんな事に気にする余裕がないのか、まだ俺の服を握りながら必死に耐えている。


薮「伊野尾どうした？」


山「なんか、相当頭痛いみたい。多分我慢してたんじゃないかな？」


伊「ご、ごめ……っ…」


震える声で謝りながら伊野尾ちゃんは痛みに耐えていた。

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す