六十五話 ページ18
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夜、俺は眠れず、テントから出て空を眺めていた。月が綺麗だ。雲ひとつない、澄んだ夜空に星々が煌めく
ふと、目を瞑るとアイツの顔が思い浮かんだ。もう何年も前なのに鮮明に覚えているアイツの笑顔
でも今はそれがとても恋しい
アイツの、あの笑顔を見たい。もう一度だけ、会いたい
そう願うと、何故か涙が止まらなくなった。嗚咽が漏れて、抑えようにも止まらない
こんなにも好きだったのだと改めて思い知らされた
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「ックソッ……」
次の日は吹雪だった。風と雪が当たって、目を開けるのも困難なほどだ
だが、俺の目的はこの山を制覇することだ。ここでくたばる訳には行かない
俺は登山を再開したが、天候は悪くなる一方であった
それでも無理やり登り続けると、視界の先に崖が見えた、大地の裂け目であり、下を見ると奈落が広がっていた
俺はそれを飛び越える
視界が悪すぎる、今日は待機した方が良いだろう
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吹雪の中テントに入り、暖かい雪解け水を口に含めた
改めてあいつの遺書を開いた
家族や、教師の名前も綴られていたが、1番最後には、俺の知らない名前が1名あった。
好奇心か、俺は知らない名前を指でなぞる
遺書を落とさないようにしっかりと持ちながら読み進めた
«拝啓、──へ。助けられなかったこの俺をどうか恨んで欲しい。
君の遺体を両手で持った時、罪悪感が吐き出てきそうなくらい感じた。
それと同時に、次に登る山を考えたり、いつか夢見たエベレストを一緒に登る妄想をした記憶が蘇って、とても不思議だった。
もし俺が、生まれ変われる資格があるのなら、また君と山に登りたい、それと、爆豪くんという君に似た後輩ができたんだ。その子も紹介しよう»
この手紙はどうやら故人に宛てた手紙のようだった
故人は、俺の知らない奴で、どうやら登山仲間だったらしい。その手紙を読み終えると俺は丁寧にリュックの奥底へとしまった
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パインアメ(プロフ) - この作品を読み終えた者です。すごく感動しました！こんなに素晴らしい作品をありがとうございます😩🫰🙇♀️もうほんとに、最初から最後までエモかったです🥲 (1月1日 8時) (
レス) id: e9cfe4dc1d (このIDを非表示/違反報告)
冷夏(プロフ) - くもくもさん» コメントありがとうございます😊🙏すごく褒めて貰えて嬉しいです✨是非最後までご覧下さいね💕︎ (8月30日 23時) (レス) id: 0d9cd0d586 (このIDを非表示/違反報告)
くもくも(プロフ) - めちゃくちや好きです…こんなにも素晴らしい作品を本当にありがとうございます。好みにぶっ刺さりました！本当にありがとうございます。 (8月30日 0時) (レス) id: 702007f6f6 (このIDを非表示/違反報告)
冷夏(プロフ) - スイレンさん» コメントありがとうございます！毎日ご覧頂きありがとうございます！これからも投稿頑張りますね！ (8月18日 18時) (レス) id: 0d9cd0d586 (このIDを非表示/違反報告)
スイレン - 遅くなってしまい申し訳ないです。続編ありがとうございます！毎日楽しみに見させていただいてます！ (8月17日 0時) (レス) id: 1465516475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷夏 | 作成日時：2023年8月14日 23時
