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『お疲れ様っす！挨拶周り、終わりました！』
また無駄に元気な声がフロアに響く。
山田がカッコいいって言ったのを思い出して、ふと顔を上げて、彼を見てみた。
良く見ればまだ緊張してるのか、少し引きつった笑顔をしてる。
あぁ、彼なりに一生懸命なのだと思った。
ほんの一瞬、目が合った気がして、ドキッとした。
心の中を見透かされるような、真っ直ぐな視線。
私は、この人が苦手だ。
直感がそう告げる。
固く閉ざした扉を、簡単に開けられてしまう気がして怖い。
ビジネスライクに。
適度な距離感を保っていれば大丈夫なはず。
そんな浅はかな考えは、課長の一声で崩れさった。
『岸くんの教育担当は、永松さんにお願いしたいんだけど、大丈夫ですか？』
『わ、私ですか？いや、他の方のほうが適任かと・・』
『永松さんは知識もしっかりあるし、落ち着いてるし、そろそろ教育担当しても良いと前から思っていたんですよ。自分のステップアップの為にも、頑張ってください』
『・・分かりました。宜しくお願いします』
有難い評価と、隣からビシビシ感じる岸くんの視線に耐え切れず、しぶしぶ了解した。
『あの！これからよろしくお願いします！早く仕事覚えるように、努力しますんで！』
余程真面目なんだろう。
私なんかにも、きっちりとお辞儀をして挨拶してくれる姿は、本当に好青年という言葉がピッタリだと思った。
間近で見る彼は、今時めずらしく黒髪の短髪で、小顔で、男らしい精悍な顔つきをしている。
課長からの話が終わり、自分のデスクへと戻った私に、早速山田が食いつく。
『課長、何だって？！』
『あ〜、うん。新人くんの、教育担当任された』
『え〜っ！超ラッキーじゃん。いいなぁ！』
『じゃあ山田、変わる？』
『変わりたいけど〜、教育担当って大変だもん』
そう、担当になる以上、間違った事は教えられないし、ミスなどが起こった際は、まず担当が厳重注意を受ける。
嫌味な担当に当たって、泣く泣く退職する新人さんも数人見てきた。
なかなかに責任ある仕事なのだ。
小さくため息をついて、コーヒーを飲み干した。
私なんかが、岸くんにしっかり仕事教えられるのか？
入社３年目の私に、試練がやって来た。
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夢(プロフ) - ちゃちさん» ありがとうございます！本当はもう少し長く書きたかったのですが(^_^;)感想嬉しかったです！ (2020年1月27日 15時) (
レス) id: c5a5700a1a (このIDを非表示/違反報告)
ちゃち(プロフ) - 岸くんらしい爽やか簡潔な物語で、楽しく読めました。 (2020年1月27日 7時) (レス) id: 90dd5545be (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - いちごさん» 最初のページにも書いてますが、何故か名前変換が上手くいかないようで、申し訳ありません。運営さんにも質問してるのですが、数カ月放置されてまして・・。すみません。 (2020年1月11日 13時) (レス) id: c5a5700a1a (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 名前が固定ですが変えられませんか？>< (2020年1月11日 9時) (レス) id: 78e4aebe02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢
| 作成日時：2020年1月2日 0時
