40 ページ3
ありがたいことに、どこかに消えた紫耀くんはなかなか戻ってこない。
ちゃっちゃとパスタを茹でて、サラダ作って、簡単だけど一通りの準備は出来た。
あとはスープの出来上がり待ちと、パスタソースを作れば完成。
その間に、買ってきたケーキや飲み物をテーブルにセットしていると、ふらっと紫耀くんが現れた。
『うわ〜、すごい！本当にすごい！』
子供みたいに喜ぶ姿が嬉しくて、もっと料理頑張りたいなぁ、なんて思う。
『ありがとう。もう少しで出来るから、座ってて？』
そう言えば、俺も手伝うよって。
さらりと手伝ってくれる姿もカッコ良いな、なんて、また1人でドキドキしてる。
『よし！準備終わったね〜。食べよ！』
『うん。あっ、ちょっと待ってね！』
ニコニコ顔の紫耀くんに、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントを差し出した。
『紫耀くん、お誕生日おめでとう。こっちがクリスマスプレゼントで、こっちがお誕生日プレゼント。
好みじゃないかもしれないけど・・』
悩みに悩んで選んだのは、シンプルなデザインのピアスと、リラックス効果のあるというキャンドル。
２つを開けた紫耀くんは、ずっと黙っている。
『あの・・ごめんなさい。やっぱり好きじゃなかった？』
『・・違う。ごめん、嬉しくて・・』
また温かい胸に抱きしめられて、紫耀くんて、わりとスキンシップ多めだなぁ、なんてくすぐったい気持ちになったりして。
『俺も、用意してたんだ、クリスマスプレゼント。
これ、受け取ってくれる？』
そう言って渡された小さな箱を、そっと開けた。
『紫耀くん・・』
入っていたのは、キラキラ光る、すごく綺麗なネックレス。
『本当はさ、指輪をあげたかったんよ。
でも、Aちゃんのサイズが分かんなくて。
いつか、一緒に買いに行こうね？』
嬉しくて、嬉しくて、涙が溢れて止まらない。
『ありがとう、ずっと大切にする・・』
『泣き虫やなぁ、Aちゃんは』
大きな指でまた涙を拭ってくれて、紫耀くんが目を細めて優しく笑う。
『あのさ・・もう一つだけ、プレゼントもらってもいい？』
『え・・何？』
『Aちゃんの・・初めてのキス』
真っ直ぐに見つめられて、時が止まった。
今、何て？
『いや、あの・・えっと・・』
激しく動揺する私と対照的に、紫耀くんは真剣な顔で見つめてる。
ー私は、小さく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 485人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恋柱(プロフ) - しおりさん» お読み頂きありがとうございました！適当に思い付いた名前でしたが、楽しんでいただけたら幸いです^_^ (2021年5月25日 15時) (
レス) id: fd5afe153c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - おすすめで見付けてしまって一気読みしてしまいました、、、可奈ちゃん？が高校時代のクラスメイトと同じ漢字で驚きました。笑 主人公ちゃんと平野が幸せになって良かったです！ (2021年5月25日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - tommy20381さん» こちらこそ、新年から舞い上がるような嬉しいコメントを頂き、本当にありがとうございます！皆様に愛して頂けて幸せな作品でした。 (2020年1月5日 17時) (レス) id: c5a5700a1a (このIDを非表示/違反報告)
tommy20381(プロフ) - 新年早々素敵な書き手さまに出会えて幸せいっぱいです。こんなにドキドキキュンキュンできる物語に出会えるなんて！世に出してくださってありがとうございます。幸せのおすそ分けありがとうございました！！ (2020年1月5日 16時) (レス) id: 0f16d2b4ee (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 杏奈さん» そんな風に言って頂けて、本当に嬉しいです！ありがとうございます。書いていて本当に楽しい作品でした！ (2019年12月15日 19時) (レス) id: 4cde4d0176 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢
| 作成日時：2019年11月17日 0時
