君が救ってくれたから(しょうれん) (ページ5)

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紫耀とともにページ5

『、、驚いたわ。すごいなぁ、ほんまに』

素直に凄いと思った。そういえば紫耀は、昔から正義のヒーローみたいな奴やった。

困った人がいればすぐに手を差し伸べていたし、誰にでも優しかった。

『廉。廉はさ、確か東京で就職したんだよね。すごい一流企業に入社したって、噂で聞いてたよ』

『そ、っか。そうやな。めちゃくちゃ必死で就活してな、第一志望の会社に入れたんよ』

『すごいじゃん！頑張ったんだね』

『うん。仕事も大変だけどやり甲斐あってさ。、、やけど、、』

言葉を止めた俺と、少なすぎる荷物をチラリと見て、紫耀は言う。

『何かあったんだね。だから、、』

『ごめんな！別に何もないんよ？ちょっと疲れちゃってさ、ふらっとこっちに来ただけやし。
明日には出て行くし、心配せんでええよ！』

『廉、もういいから。そうやって、、無理して笑わないで？』

俺、もう我慢せんでええのかな。つらいって、言うてもええんかな。

そう思ったら、堰を切ったように嗚咽が溢れた。

『紫耀、、紫耀、、助け、、て』

『うん。良く頑張ってきたね。俺が、絶対助けるから！落ち着いたら、話、、聞かせてくれる？』

泣きながら頷いた俺の背中を、紫耀はまた、優しくさすりつづけてくれた。