君が救ってくれたから(しょうれん) (ページ26)

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秘密ページ26

『『今日はお疲れ様。乾杯』』

いかにも大人な落ち着いた雰囲気で、２人はマグカップを合わせた。

『紫耀。さっきは話切り上げてくれてありがとね。助かった、、うん』

『気にすんなよ。みんなもさ、悪気は無かったんだ。・・けどごめんな。俺がみんなに恋愛事情聞いちゃったから』

『ふふっ。そっちこそ気にしないでよ。いい加減、俺もケジメつけなきゃな』

『ジン、、』

何、何なん？この雰囲気。

ますます入っていけなくなっとるやん、俺。

立ち尽くす俺の耳に、今度は楽しそうな声が聞こえて。

『それにしてもさ、紫耀って大阪に住んで長いんでしょ？何で関西弁じゃないの？』

『あ〜それね(笑)みんなガッツリ関西弁だから驚いたでしょ。
俺もね、廉達に出会って大阪が大好きになってさ、早く関西弁話せるようになろう！って頑張ってた時期もあったんだよ。
でもさ、な〜んか自分には似合ってない気がして？
上手く説明出来ないんだけどね、あっ、そうそう思い出した！廉だ！』

え、俺？！

急に出てきた自分の名前にビックリする。

『廉がね、言ってくれたんだよ。【別に無理して関西弁話さなくてええんちゃう？紫耀は紫耀やろ？】って』

『廉、優しいね』

『うん。俺はいっつも廉に助けられてきたんだ。だからこれからは、俺が廉を守る番』

『そっか。何かいいね、そういう関係。紫耀、最近本当に嬉しそうだもん』

あかん、、また泣いてしまいそうや。

立ち聞きした事がバレへんように、そっと風呂に戻った俺は、わざとらしく音を立てながらリビングへと戻った。

『はぁ〜、気持ちよかった〜！２人とも片付けありがとな。長湯してしもてごめん！』

『全然！じゃあ、俺はこれで。紫耀、また月曜日な。２人ともおやすみ』

ぐうじの恋に、何があるのかは分からん。

それでも彼は、朝と同じように柔らかい笑顔を残して帰っていった。