絶好調な田中樹2 ページ2
『家賃は見ない、家賃は見ない、、。』
ぶつぶつと呟きながら物件情報を眺める私を、樹くんは楽しそうに、幸せそうに見つめる。
ちなみに肝心の樹くんは、私が決めたマンションならどこでも良いらしい。
マネージャーさんや、事務所の偉い人達にも同棲の許可はもらってるから、私は一番に樹くんの安全を重視して選び始めた。
今と同じように、２４時間のコンシェルジュ駐在、住民審査の厳しさ、プライバシーが守られること。
『、、決めた！このマンションでお願いします！』
『おっ、いいじゃん！じゃあ、早速マネージャーさんに連絡するから』
私の頭を優しくポンポンして、樹くんはスマホをタップした。
時々楽しそうに笑いながら、私を見つめてはアイコンタクト。
幸せだなぁ。
『っしゃ！A、今週の土曜日、内見行くよ！』
電話を終えて、開口一番のこのセリフに驚いた。
『ちょっ！？無理でしょ？私が行くなんて、、』
不動産屋さんにバレたら、同棲どころじゃない。
『うん、だからさ、土曜日だけはAは俺のマネージャーね！』
『え、ええっ、、？』
戸惑う私をよそに、ルンルンな樹くん。
マネージャーさん(本物)の、ありがたい配慮らしいけど、、。
そうして迎えた土曜日の朝。
お寝坊な樹くんが、珍しくちゃんと早起きして。
少しでもマネージャーっぽく見せようと、お洒落なスーツを見に纏った私を見て、色っぽすぎるからダメ！なんて真剣に言うから、笑ってしまう。
『はいはい(笑)誰も私なんて見ないから。あ〜、早くお部屋見たいなあ』
チラリと上目遣い。
『、、ま、まぁ。俺から言い出したんだし、、仕方ないか』
『そうですよ？さ、早く行きましょう、田中さん？』
すっかりマネージャーモードになった私に、樹くんの壁ドンが降ってきた。
『まーじーで！帰ったら覚えといて？』
ツーっと、スカートを撫でられて、思わず声が出る。
『ひっ！』
『ダハハっ！イェーイ！』
田中樹、今日も絶好調です。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢(プロフ) - じゅったんの女さん» ありがとうございます！最後まで楽しんで頂けるよう、妄想膨らませます(^^) (2020年11月5日 23時) (
レス) id: 8bf06d2a86 (このIDを非表示/違反報告)
じゅったんの女 - このお話良すぎ!!更新楽しみ！ (2020年11月5日 20時) (レス) id: c614ab050f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢
| 作成日時：2020年11月3日 16時
