まさかの田中樹2 ページ2
あれから数ヶ月が経ち、兄夫婦は無事にカナダへ移住し、私は東京へとやってきた。
マンションを初めて見た時は、あまりの豪華さに驚いた。
一流企業のお給料ってすごいんだなぁ、なんて、呆然として。
ある程度綺麗に使ってくれれば自由に、って奥さんも優しく言ってくれたけど、やっぱり夫婦の寝室は使えないから、私はゲストルームを自室にさせてもらって、キッチン用品も、義姉のこだわりがあるだろうしと、適当に自分で揃えた。
『よし、じゃあご挨拶まわりに行こうかな』
一般的に、このご時世に挨拶まわりはしないんだろうけど、兄夫婦のは分譲だし、いきなり若い女が住み始めたら変な噂が出るかもしれないからと、移住前に兄夫婦が挨拶を済ませてくれていて、私も両親とともに挨拶を済ませた。
さすがというか、住んでいる人達は、いかにもセレブといった感じで。
だけど兄夫婦が根回ししてくれていたおかげか、皆さん温かく迎えてくださった。
『さて、あとはお隣だけど、留守のようだしなぁ。どうするかな？』
父が心配そうに話す。
そう、兄夫婦もお隣さんだけは一度も会った事がないと言ってたし、今日も留守のようで、挨拶ができないまま。
妹の私を心配して、ポストに手紙を入れてくれたみたいだけど。
『ここは入居基準も厳しいって聞いたし、変な人じゃないとは思うけど、、。A、くれぐれも気をつけなさいよ？』
母も不安そうに言う。
『うん、大丈夫。きっとお兄ちゃん達みたいに忙しいんじゃないかな？また改めて、挨拶に行くよ』
『Aまでいなくなると思うと寂しいけど、３年間、しっかり頑張りなさい』
そう、私がここに住めるのは３年間なのだ。
仕事も、また派遣だけど、どうにか見つかった。
両親を駅まで見送った帰り道、高すぎる東京のビル群を眺めた。
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リんか(プロフ) - 楽しみに待ってます！！ (2020年9月10日 19時) (
レス) id: 4696f3d3e9 (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - リんかさん» コメントありがとうございます！続編を希望してくださるなんて、本当に嬉しいです。前向きに検討したいと思います！ (2020年9月10日 19時) (レス) id: 7b21f98cf4 (このIDを非表示/違反報告)
リんか(プロフ) - キュンキュンしすぎて一時間くらいで読み終えちゃいました！是非続編も描いて欲しいです！ (2020年9月10日 18時) (レス) id: 4696f3d3e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢
| 作成日時：2020年8月19日 18時
