いつも、ありがとう。 (ページ10)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:40,277 hit

＊宮舘side ページ10

心配ゆえに険しい顔をしていた翔太も、いつもの優しい、でも真剣な表情でカンファレンスを始めた。

俺も聞き漏らすことのないように翔太達の話に集中する。

「改めて、この子の名前と年齢は不明。ただ持ってたカバンの中にメモが入ってて、それによると13歳みたい。

だけど13歳と仮定すると身長、体重ともに１３歳の女の子の平均をかなり下回ってる。この辺は俺より阿部の方からがいいかな。

そんで、さっき俺が診察して中度の胃潰瘍って診断して胃カメラで処置した。明日の夜までは絶食の予定だけど様子見ていくつもり。

吐血してから意識なかったけど、胃カメラ入れたくて念の為鎮静かけた。

あと1時間もすれば目覚めるはず。

さっき診たかんじ他に気になることはなかったけど、意識が戻ったらまた詳しく検査しようと思ってる。

メモにあった記憶がないってのが本当なら頭かなって思って頭部CTを松本先生と山下先生に見てもらったけど特に異常はなかった。

お二人も目が覚めてから詳しく診たいって言ってた。

あと、右手首のあざが気になった。ぐるっと一周ついてるから何かでキツく縛られたりしてた可能性もある。

警察にも伝えてあるけど、他に目立った外傷はない。

俺からはこんなもんかな。」

翔太の説明は大まかなことだけだったけど、ルートキープのために布団から出ている腕に残る傷や痣は、小さな体で抱えるには大きすぎるであろう荷物の重さが伺える。