いつも、ありがとう。 (ページ21)

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｢そういえばこの名無しちゃん、ずっと名無しちゃんって呼ぶ訳にもいかないよな。
なんかしら呼び方決めたいんだけど、こういうのって誰が向いてる？笑｣

「舘さんじゃないっすか？」

「え、おれ？」

急に振られた舘さんは驚いてる

ごめんってわら

「……ゆきちゃん、とかどうですか？｣

「ゆきちゃん？」

「さっき脳外の診察室で雪を見た時、

なんていうか…すごく表情が柔らかくなった気がして、

その顔を見たらなぜかこの子は雪が似合う子だなって思ったんです。」

「…いいじゃん。」

櫻井先生の一言に俺も頷く。

彼女の雰囲気にピッタリだし、さっきの表情や様子を見ていたら、雪が彼女の記憶を取り戻すカギになるんじゃないかとも思った。

まあただの勘だけどわら

「決まりだな。じゃあ今日はもう遅いし、ゆきちゃんは俺が責任をもって引き継ぐよ。」

「はい。よろしくお願いします。」

舘さんと二人で櫻井先生に頭を下げる。と同時に看護師さんが櫻井先生を呼びに来た。

「ごめん2人、行ってくるわ。お前らも休み休みで、無理すんなよ！」

慌ただしく出ていった櫻井先生を見送って病室に3人。

「ふっか、俺そろそろ病棟戻らないとだから行くね。ふっかはまだいる？」

「あー、もうちょいいようかな。そろそろ輸液も終わりそうだから俺が抜いとくよ。」

「うん、よろしく。

…じゃあ、またね。ゆきちゃん」

舘さんはゆきちゃんの頭をそっと撫でて静かに病室を後にした。