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「ふっかごめんね、急に呼んじゃって」
「いーのよ全然！阿部ちゃんからコンサル来ることなんてそうそうないからビビったけど笑」
「けどさすがだね。俺はまだこの子の意識がない時に会ったから動揺してしまったけどそれを隠さずにいられた。けどふっかはその動揺を隠して最初から彼女の心を掴んだ。すごいよ、ふっかは。」
「え〜そんなこと言われたら照れるじゃん笑
言い方は悪くなるけど、慣れ、かな。
本当は慣れたくないよ、こんなこと。でも意外とあるんだ。精神科では、こういうこと。こんなに小さいのに、っていつも思う。でも俺はね、可哀想って思うんじゃなくてここに来てくれたならもう大丈夫だよって、そう思いながら接するの。
小さい子ほど、大人の考えてることって伝わるんだよね。笑｣
ふっかは優しく笑いながら話続ける。
「おれも精神科に来て最初の頃は舘さんと一緒だったよ。笑
すぐ動揺しちゃって、それが顔に出てよく大野先生に怒られた。
けどね、自分が感じたその気持ちを忘れるなって。それがいつかきっと患者さんに寄り添うために必要になるからって、教えてくれた。
だから、舘さんはそのままでいいと思うよ。ただ可哀想って気持ちだけじゃないでしょ？救いたい、笑顔になって帰ってほしい、そういう思いが少しでもあればそれはちゃんと伝わってるよ。」
「ふふ、ありがとう。さすが心のお医者さん。
それで、さ…この子、どう思う？」
「…正直、分からない。大人に恐怖を感じている様子はないし、女の子だからもしかしたら男を警戒するかなとも思ったけどそれもない。
記憶がなくなるくらいの何かがあったはずだけど…」
「ねえ、解離性健忘って記憶を思い出すことはあるの？」
「もちろんあるよ。例えば事故のショックで記憶を無くした人が、事故現場を見て思い出す、とかね。
ただ、いつ、どこでどんな時に思い出すは人によって全く違う。
思い出すのが早い人もいれば遅い人は何年もかかるし。
悲しいけど、思い出せないままの人もいる。
今はそっと見守って、身体を元気にすることが最優先だな。」
「そっか。早く元気になろうね。」
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作者名：Yurinoya | 作成日時：2023年6月24日 23時
