いつも、ありがとう。 (ページ15)

今日:8 hit、昨日:16 hit、合計:40,294 hit

＊宮舘side ページ15

山下先生のいる脳外科まで彼女と移動する。

「山下先生、お疲れ生です。…この先生が山下先生だよ」

寝っ転がってるこの子は見下ろされる形になるから、怖がらないようにと目黒が先に声をかける。

「お疲れ。この子ね、了解。先診察室行ってて。」

「了解です。俺この子診察に送ったら一回救急戻らなきゃいけなくて、だてさんこの後お願いしてもいい？」

「もちろん。いってらっしゃい。」

目黒も受け持ちの患者さんがいるからね。それに救急は基本いつも忙しない。

「め…ろせん、せ」

診察室に入って目黒が出て行こうとすると女の子は控えめに目黒に声をかけた

「ん？なあに？」

「……め、さぃ…」

ん？ごめんなさい、？

「なんでごめんなさい？何か悪いことしちゃった？」

目黒が優しく問いかける。

「…なまえも、お、かねも、わか、なくて…めいわく、で、」

「それは謝ることじゃないよ。迷惑でもない。

名前はきっとこれからわかるし、お金のことは大人に任せておけばいい。

今は体を元気にすることだけを考えよう？

痛いとか、怖いとか不安とか、いっぱいいろんな気持ちが出てくると思う。

そういうの全部、先生たちに教えて？

先生たちは君を助けてあげたい。

もちろん楽しい、嬉しい、面白い。そういうのもたくさん教えて？

先生たちみんな、君と仲良くなりたいって思ってるよ。」