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「ね、誰」







「あーお前」


「…テレビ見いひんのやっけ」









目の前でバツが悪そうに苦笑いを浮かべる流星



流星とは、小さい頃からの幼馴染でかれこれ20年近くの付き合いになる。

彼のこういう職業なこともあってお互い成人してからは月1で飲みに行く関係









流星には途切れずいつも彼女がいて、それは幼馴染という関係を保つための彼なりの優しさなのかな、

という勝手な解釈。







一度だけ彼にそれっぽいことを伝えた事があるけど「勘違いすんな、アホ」と一蹴されたから、もう言わない



そして今日も、いつものように居酒屋に着くともう1人、大きな男。









「俺、小瀧望」









こんばんは、と付け足して


目の前でニコニコ笑うこの男は、一体。








「はぁ。」

「よろしく。のんちゃんて呼んでな」














のんちゃん、て自分で言っちゃうのね



そんなツッコミを抑え込んで、一応、笑っておく。









「Aちゃん、何飲む?」





変わらずニコニコしながらこっちを見るのんちゃん、はきっと嫌な人ではないんだと思う





流星と顔を見合わせて少し笑って。









「生ビール」


と初めて目を見て告げると、









のんちゃんが嬉しそうに笑った。

その瞳の奥の寂しそうな色は、気のせいだと思う









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作者名:ゆき | 作成日時:2017年3月26日 10時

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