1 ページ1
.
「ね、誰」
「あーお前」
「…テレビ見いひんのやっけ」
目の前でバツが悪そうに苦笑いを浮かべる流星
流星とは、小さい頃からの幼馴染でかれこれ20年近くの付き合いになる。
彼のこういう職業なこともあってお互い成人してからは月1で飲みに行く関係
流星には途切れずいつも彼女がいて、それは幼馴染という関係を保つための彼なりの優しさなのかな、
という勝手な解釈。
一度だけ彼にそれっぽいことを伝えた事があるけど「勘違いすんな、アホ」と一蹴されたから、もう言わない
そして今日も、いつものように居酒屋に着くともう1人、大きな男。
「俺、小瀧望」
こんばんは、と付け足して
目の前でニコニコ笑うこの男は、一体。
「はぁ。」
「よろしく。のんちゃんて呼んでな」
のんちゃん、て自分で言っちゃうのね
そんなツッコミを抑え込んで、一応、笑っておく。
「Aちゃん、何飲む?」
変わらずニコニコしながらこっちを見るのんちゃん、はきっと嫌な人ではないんだと思う
流星と顔を見合わせて少し笑って。
「生ビール」
と初めて目を見て告げると、
のんちゃんが嬉しそうに笑った。
その瞳の奥の寂しそうな色は、気のせいだと思う
.
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆき | 作成日時:2017年3月26日 10時