検索窓
今日:14 hit、昨日:31 hit、合計:231,204 hit

06 ページ6

「…翔太。」

「無理!」

「はぁ。」


また心臓に穴。

涼太のついたため息が貫いた。

いつもつかれるため息とは比較できない程、重たいものだった。

顔が引きつっているのが自分で解るほど全然動かない。

涙は引っ込んでしまった。

頭の中でサイレンが騒がしく鳴り響く。

きっともう完全に呆れられた。

わがままばっか言って困らせて。

試して、試して、試した罰だ。

自分が悪い。

それなのに。

お願い。涼太。

嫌いにならないで。

俺のこと、嫌いになんないで。


頭の上にそっと手のひらが置かれて緩やかに撫でられる。

「解った。…みんなにそう言ってみる。」

あぁ。やっぱり。

涼太はいつも俺のお願いを聞き入れる。

俺はそれでも大好きだと思う。

傷つけても傷ついても大好きだからごめんねって。

だけど、もう。

もう、離れなきゃ。

そろそろ離れなきゃ。

全部溶けちゃう前に。

「ごめんな、さい。」

俯いたまま謝った。

涼太の顔を見る勇気は微塵にもなかった。




ごめん。

もう少し。あと少し。

でも安心してよ。

もうすぐ開放してあげる。


離れる準備を始めなきゃ。





あれから数日が経った。

都内に戻ってきて、俺は着々と整理をつけた。

主に心の整理に勤しんだけれど、効果はあったのかな。



「翔太、何か食べたいものある?」

「何も。」

俺はもう何も望まない。

与えられる時間から卒業する。

「…そう。」


だからもう、そんなに気を遣わないでいいよ。




「次、宮舘さん撮影お願いしまーす。」

「あ、はい!…いってくるね。」

涼太がカメラの前で表情を次々変えていく。

07→←05



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (387 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
777人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , ゆり組 , dtnb
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かすみ。 - しょっぴーと舘様がお互いを想うからこそ生まれてしまったすれ違いが、辛くて、辛くて、思わず私まで涙が溢れてしまいました…。最後にはお互いの想いが同じであることに気がつくことができて、心から安心しました。素敵な作品をありがとうございました✨ (2022年8月12日 21時) (レス) @page25 id: 20fc716983 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - 小鳥遊さん» 嬉しいです。こういうテイストの話がだんとつ好きなので似たようなのばっかり書いちゃうんですけども…笑 好きでえんえんするしょうたくんをまた書きたいです笑 (2020年5月5日 3時) (レス) id: 1dc1d4bb39 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - めっちゃめっちゃ素敵なお話ありがとうございます〜好きで好きでたまらないしょった可愛すぎました、、ゆり組に共依存って似合いますね、今からめめあべも読んできます!!イチさん素敵なゆり組のお話ありがとうございました!! (2020年4月25日 0時) (レス) id: 8620d40c0e (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - みちさん» フォーエバー。めめあべもおねぎぃします。 (2020年4月5日 8時) (レス) id: 89e040e4cb (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - ゆきんこさん» コメントありがとうございます(^^)幸せになってくれて安心。多分これからはもういいってくらい愛を囁かれてめちゃくちゃ大事にされます。次も作ったのでお願いします! (2020年4月5日 8時) (レス) id: 89e040e4cb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:イチ | 作成日時:2020年2月14日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。