蚊帳を張る話 (ページ6)

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●認識ページ6

深「やば笑翔太かっけぇじゃん笑」

宮「俺にとってはヒーローだったよ」

深「てかだてさん、可愛くない？いつからこんな男らしくなったの」

宮「んーー…それはね…」

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小さい頃から、母親に喧嘩を仕込まれていた。
だから、同年代の誰よりも強い自信があった。

だけど、母親は俺に言った。

宮母「いいか涼太。お前は強い。誰よりも強い。だから戦うな。本当に強いやつは、無闇に手は出さない。お前のその力は、本当に守りたいやつが出来たときのためにとっとけ」

宮「本当に守りたいやつ…？」

宮母「アタシにとってのとーちゃんみたいな、大切な人ってことだ！」

宮「大切な人…」

宮母「練習はしとけよ、その時に守れないなんてクズだからな」

宮「とーちゃん弱いよ？」

宮母「とーちゃんはもっと別のとこでアタシを守ってくれてっからいいんだよ！」

その時は、母ちゃんがなに言ってんのかわかんなかった。
けど、言われたことはずっと守ってた。

中学に入って、料理部に入ったら絡まれることが増えた。女に媚売ってんなよ、だって。

俺より弱い奴らに喧嘩売られても、買わなかった。
パンチもキックも簡単に見切れたからよけたら、余計怒って人を集めて攻めてきた。

そういうときは昔みたいに絶対翔太が来てくれて、一緒にボコボコにされてくれた。

２人で帰ったら、母ちゃんは「よく手を出さなかったな、お前らの勝ちだ」って頭を撫でてくれたから、間違ったことはしてないんだなって思った。

ただ、翔太が。
翔太の綺麗な顔が、俺のせいで傷つくのが、嫌だった。

だから、言ったんだ。

宮「翔太…もう無視していいから」

だけど翔太は決まって

渡「やだね。お前がやられてんの無視する方が、ボコられるよりよっぽどいてぇわ」

そう、言った。

なんだろう、その時初めて、好きだなぁ、って、思ったんだよね。

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そのまま進級して。嬉しいことにまた同じクラスになった。

相変わらずの関係性で、相変わらず俺らは定期的に絡まれていた。

進級して１ヶ月くらいたった頃。

翔太が、翔太だけが、あいつらについて裏庭の方に歩いていくのが窓から見えた。

なんで？

なんで翔太だけ？

全速力で、駆け出した足。

千切れそうになるくらい、必死に動かして。

見つけた翔太は。

あいつらに羽交い締めにされて、ボコられて。

全裸にされて辱しめを、受けていた。