蚊帳を張る話

●そして、未来へ ページ16

ク「おわったーーーー！！ありがとなー！！帰ろー！！」

ク「ふっかもだてもありがとな、帰ろうぜ」

宮「もう大丈夫？」

ク「大丈夫！」

深「んじゃ帰るわーじゃなー」

ク「じゃあな！」






.






終わったよ…っと。翔太にLINE。

すぐに帰ってきた了解のスタンプ。教室に向かえばいいのかな。





深「いやー、それにしてもそんな紆余曲折あったとはねー」

宮「なにが？」

深「ゆり組の歴史よ。まぁ一筋縄ではいかんよね」

宮「…はは、そうだね」






いろいろあった。

いろいろあったけど、それら全部が、俺らにとって大切なプロセスだから。何一つ欠けても今の俺らはないから。

だけど……







宮「……翔太に性的な嫌がらせをしたことだけは、未だに許してない、かな」

深「まぁね、許せないことってのはあるもんよ。俺にもあるもんね」

宮「へぇ…意外」

深「あるよー？許せないことのひとつやふたつ」

宮「…ふーん？」

深「ま、俺のことはいいのよ。ずっと仲良くしなよ、あんたらは」

宮「うん、そのつもり」

深「うわーーーーのろけ？やだわぁーもぉー」






ぱたぱたとあおぐ仕草をするふっかを一瞥し、翔太の待つ教室に向かう。







仲良くするよ。

喧嘩しても。

泣いても。

それでもずっと、仲良くしたい。

俺らはもう、離れない。







ガラッ







宮「おまたせ、翔太」

渡「あっ……涼太！」









.









翔太が、その声で、俺の名前を呼んでくれるなら。

俺は、ずっとその隣を、離れない。









.








宮「好きだよ、翔太」

渡「はっ…はぁ！？」






.









.








.








.







深「阿部ちゃん、鼻血。ほらティッシュ」

阿「…ありがと。ズズッ…」

深「あら、Aちゃん」

A「おそく…なった、ごめん」

深「なんか…顔赤くない？大丈夫？」

A「大丈夫！！…阿部ちゃんこそ、大丈夫？」

阿「らいりょうぶぅ…ジャスティス…」





...end

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