蚊帳を張る話 (ページ15)

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○もどる。ページ15

宮「あった……翔太！あった！合格だ！俺ら、来年も一緒にいられる！」

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渡「……っ！！りょぉ…たぁ…っ！！」

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宮「翔太…？こえ……翔太！もっかい！もう一回しゃべって？俺の名前を呼んで！」

渡「涼太…涼太ぁ！合格…っ！合格だ…！！」

宮「…っ！！」

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ガバッと抱き締めてくれた力はすごく強くて。
だけど、すぐに離されて。

宮「おかえり、翔太」

そう言った涼太の目は、真っ赤だった。

周りには同じように目を真っ赤にして泣いている人はいっぱいいるけど。

俺らのはそれとは理由が違うって。わかってるのは、俺らだけでよかった。

渡「……ただいま」

宮「……今、ものすごくキスしたいけど、やめておくね」

渡「うん、やめよう」

宮「あっ、翔太ママー！翔太ママ！きて！」

渡母「なぁに？」

宮「翔太…翔太の声が、声がね！」

渡母「え？」

渡「……ママ」

渡母「………え？」

渡「声が…出せるようになったらしいわ」

渡母「………っっ！！！」

ぎゅーーーーーっと抱き締められて、耳元で聞こえる嗚咽。

あれ、ママってこんなに身体小さかったっけ。

心配かけたんだなぁ、と、実感。くそ、泣きそう。

宮母「てか翔太、お前声低くなった？」

宮「あ、そうだよ。低くなった」

渡「ん？あ、あーーあーーーあーーー。あー、確かに」

宮母「声変わりしたんだな。そっちの声も好きだよ」

渡「ん、ありがと」

渡母「声変わりおめでとう、翔太」

渡「なにそれ笑」

一年半ぶりに出した声は、ずいぶんと低くなっていた。もうソプラノはでないな笑
けど男性アーティストの曲は楽に歌えるようになったのかな。

声変わり…涼太と同じ。
それが少し、嬉しかった。

宮母「……でさ。」

渡「ん？」

宮母「お前ら、合格したの」

宮「うん、したよ？」

渡母「は！？それ早く言いなさいよ」

宮母「番号どこだよ、どれだよ」

渡「あそこ」

渡母「ちょっとーーー感動し損なったじゃんー」

宮母「マジだわ、なんだよお前ら、感動を返せよ」

宮「はぁあ？」

渡「なんだよそれ笑」

…

…

…

渡「…ってわけ」

阿「へぇぇえええええー！！！！！」

渡「…満足？」

阿「満足も満足、大満足だよ！んで、ゆり組のふたりは、今も同じ学校で頑張ってるってわけだねー！！ジャスティス！！」

渡「だからそのジャスティスってなんだよ」