214話目 ページ12
小島｢そうだったのか…｣
八木｢留学先では、当時まだ楽天の田中将大さんがMLBにいた頃で田中さんのチームや前田健太さん、ダルビッシュさん、大谷さんらのチームで研修させてもらっていたようです。｣
小島｢すご｣
八木｢2年くらい前に璃実ちゃん、璃斗くんを育ててくれていたおじいちゃんおばあちゃんが他界。それを機に日本に帰ってきました｣
小島｢そうだったんだ｣
八木｢この話を知っているのは仙台育英出身者、東北福祉大出身者、仙台大学出身者、一部の選手と各球団の首脳陣だけとなっていますので公言はしないでください。｣
小島｢それはもちろん。｣
八木｢何かあった場合、僕か平沢がどうにか出来ると思うのでよろしくお願いします｣
小島｢了解｣
一通り話し終わった頃…。
｢……おにいちゃん……｣
八木｢Aちゃん…｣
小島｢寝言？｣
八木｢体調悪くなると夢に出てくるらしいんですよね｣
小島｢そーなの？｣
八木｢はい、夢に璃空斗さん出てきたーって言ってる日は大体体調良くないみたいなので…｣
｢……おとーさん、おかーさん、……行かないで｣
小島｢なんか、辛い。胸が締め付けられる…｣
八木｢涙を流してる時もあるのでそういう時は起こしてあげてください。｣
小島｢起こしちゃっていいの？｣
八木｢はい。涙を流してるとき、最後は魘されて可哀想なことになるので。｣
小島｢わかった｣
八木｢それから、一応伝えておきます。Aちゃんはアルコールアレルギーです。それから、突然過呼吸起こしたりします。｣
小島｢そっか、わかった。気をつけて見てるね｣
八木｢そう言っていただけると心強いです｣
小島｢……泣いてるよ｣
八木｢ありゃ、起こさないとですね。Aちゃん！｣
｢……(目を開く)……お兄ちゃんは？｣
八木｢Aちゃんが今いる場所は？｣
｢……(考え込む)………ロッテ……｣
八木｢夢の中で璃空斗さんに何言われたの？｣
｢まだ、こっちの世界に来ちゃダメだよって言ってた…｣
八木｢そう。みんな、Aちゃんのこと大切に思ってるから。あっちの世界になんて行かせないから、大丈夫。簡単には行かせないよ｣
｢あっちの世界…｣
八木｢璃空斗さんが言ってたこと…思い出して｣
｢人生という試合で最も重要なのは、休憩時間の得点である？｣
八木｢いい？今、Aちゃんは休憩時間という得点を積み上げています。…わかる？｣
｢…(ｺｸﾝ)｣
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作者名：Flute | 作成日時：2022年12月25日 22時
