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和「…っ！…Aっ！」
「うわっ！ハイっ！」
ビックリした…和くんいきなり大きい声出さないでよ
和「Aお前、呼ばれてる！」
「へ？誰に？」
和「前っ！」
『AAさん？前に来てください。いらっしゃいませんか〜？」
和「ここにいます！ほら、早く行って来い！」
え？…え？！何で？…え？
アイ「Aさん！行きましょ！」
潤くんが立たせてくれて、和くんが背中を押してくれて、アイちゃんに手を引かれながら舞台に上がった。
え？本当に？私が？…あ、夢か。夢だなこれは。
アイ「Aさん！トロフィー受け取らないと！」
アイちゃんが肘で小突きながら小声で言ってきたので、前に出てトロフィーと賞状を受け取る。
あぁ…これ…夢じゃないわ…。
アイちゃんが副賞の30万の…なんか大きい小切手みたいなやつを受け取って「やりましたね！Aさん！！」と目をウルウルさせながら言ってきた。
そっか…優勝したんだ…
それからは訳も分からないまま、写真撮影やインタビューで大忙し。
全国から人が集まる大きな大会だから、毎年それぞれのキャリアの優勝者は協賛企業の雑誌に写真とインタビューが載る。
今回は記念すべき100回目の大会だったので、まさかの特集が組まれることになった。
日にちとかは潤くんに聞かないとわからないので、雑誌のスタッフさんとは連絡先を交換してやっと解放された。
座っていた席に戻ると和くんがいた。いや、和くんしかいなかったと言うべきかな？
「ただいまー。みんなは？」
和「おかえり、お疲れ。もう帰ったよ」
なんと！！まさかの置いて行かれた。そりゃそうか。表彰式が終わって1時間は経ってるもんね。
アイちゃんも30分くらい前にお母さんと一緒に帰って行ったし。……もしかして
「和くん」
和「んー？」
「待ってて…くれた？」
和「…」
あ…違った？スマホでゲームしてるから、下を向いていて表情は見えないけど一瞬ピクって肩が動いた気がしたんだけどなぁ
自惚れすぎたかな…恥ずかしい…
和「待ってたよ」
ですよねー。待ってるわけな…
「…へ？」
和「Aが戻ってくるの待ってた」
「あ…ありがと…」
和「どういたしまして」
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作者名：白ネコ | 作成日時：2019年11月20日 17時
