明日の君に恋をする [NK] (ページ44)

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あとはショーを成功させるだけ。
メインじゃないにしてもぶっつけ本番だなんて…潤くんを見ると目が合って、ニヒルな笑みを向けられて反対を見ると和くんと目が合い、肩に手を置かれた。

大丈夫。2人がいる。まさかの飛び入りみたいになっちゃったけど、せっかく参加するなら楽しもう。

そう思ったら肩の力も抜けて、緊張でドキドキしていたのがワクワクに変わった。

結論から言うと、ショーは大成功。
私たちは勿論、他のモデルさん達も素敵だった。
まぁ…男のモデルが和くんだけだったから、めちゃくちゃ目立ってたけど。

ショーの後にはそのまま表彰式が行われた。
C1からC5までそれぞれ入賞・3位・2位・1位・最優秀がある。
C1の3位・2位はお店の子2人が選ばれた。
残念ながら篠田くんの名前は呼ばれなかったけど…
C2・C4もそれぞれ入賞した。C3は元々お店にいない。

とうとうC5のモデル部門。入賞・3位・2位と呼ばれていく。
呼ばれた人はモデルさんと一緒に登壇して並ぶから、どんなスタイルが選ばれたのかが分かる。
入賞者のスタイルは統一感がなかったけれど、3位と2位はどちらかと言えばフェミニンだった。
あぁ…難しいなぁ…って思っていると、1位の人が呼ばれた。やっぱり1位のモデルさんもフェミニン。

今年の審査員の好みはフェミニンだったか…なんて考えて落ち込んでると、和くんの手が頭に乗った。

和「まだ１つ残ってるんだから、わかんないでしょ」

「でも上位3人ともフェミニン系だし…難しいと思う…」

和「素人の感想だと慰めにもならないと思うけど、俺はAのスタイルが1番好きだけどな」

「ありがと…お世辞でも嬉しい…」

和「お世辞じゃないけど…まぁ、今回は許してあげる」

空気がピリついた気がした。いや、実際ピリついた。理由はわかってる…私が悪い…

「ごめん…」

和「気にしてないよ」

和くんはそう言って口角を上げて笑った。

和「ほら、最後の1人呼ばれるよ」

和くんの言う通り、進行役の女性が「栄えある最優秀賞は～」と言ったところだった。
はぁ…私の技術不足だったなぁ。いや、でもアイちゃんだと今回のスタイルが1番良かった。
ずっと2人で頑張って来た。いや…2人じゃない。潤くんには何度もアドバイスを貰ったし、和くんは遅くまで待ってくれて家まで送ってくれたり、気分転換に付き合ってくれた。
みんなの協力があって出来たスタイル。
後悔は全くしていない。してないけど…やっぱり悔しいなぁ…