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「あれ？潤くん達も、もう終わり？」
お店に戻ると潤くんが片付けを始めていた。
J「俺はスタイルの作り込みとか、あんまりないからな。あとは前日の仕込みだけで充分」
確かに潤くんはヘアーショーだから事前の作り込みは、ほとんど要らないもんね。
和「Aは？もう終わり？」
「私はもう終わりだよ。あとは下の子の練習を見ようかなって思って」
和「そっか」
「和くんは？もう帰る？」
和「いや。終わるの待ってる」
「うん？」
和「どうせまた歩いて帰るつもりでしょ？危ないから送ってく」
「悪いからいいよ」
和「悪いと思うなら素直に送られな」
J「A、最近この辺も不審者出るらしいから送ってもらいな」
篠田「Aさん！それなら俺が送ります！」
J「お前は家、反対方向だろ」
篠田「でも…」
J「はいはい、さっさと準備しろ〜タイム測るぞ。あと俺見とくから、Aもう帰っていいぞ」
「はーい。和くん帰る準備するからちょっと待ってて」
和「タバコ吸いたいし先に車行ってる。この前と同じところに停めてるから」
「急いで準備する！」
和「ゆっくりでいいよ」
和くんはそう言ってお店を出て行った。
送ってもらうのに待たせちゃ悪いから、早く片付けないと！
でも人って焦れば焦るほど失敗しちゃうよね。
急がば回れって昔の人はよく言ったよねー
なんて思ってると手が滑ってカップを落としちゃった。
「あーごめん。やっちゃった。すぐ片付けるね」
みんなの練習の邪魔になるから早く片付けないと。
そんな気持ちばっかりが焦っちゃて…
「っいた！」
篠田「Aさん！！大丈夫ですか？！」
「大丈夫。ちょっと指切っただけだから」
篠田「見せてください！あ、これ結構切れてますね。絆創膏持ってくるんで、何もせずにここにいて下さい！」
「自分で出来るから大丈夫だよ。篠田くんはレッスンしておいで」
篠田「でもっ」
「大丈夫だから。こんなの切ったうちに入らないよ。ほら、早く行っておいで。みんな待ってるよ」
篠田「わかりました…」
篠田くんは心の底から渋々と言った感じでレッスンに戻って行った。
気の所為だと思いたいけど…さっき手を掴まれたとき、指舐めようとしなかった…？
あれかな？こんな傷、舐めときゃ治る的な…？いや、でも結構切れてますねとか言ってたし。まぁ…いいや。
気の所為と言うことにしておこう！
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作者名：白ネコ | 作成日時：2019年11月20日 17時
