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慣れた手つきでネクタイを緩めて外した。
女子が好きな仕草トップ5に入ると言っても過言ではないこの動作。
今まで何が良いのかわからなかったけど、和くんのを見ると確かに…良い…かも？
しかも私は立ってるけど和くんは座ってるから上から見る形になるし、シャンプーブース自体の照明が少し暗いから余計に…
和「いいよ」
「はーい。首苦しくないですか？倒しますね」
シャンプー用のクロスを巻いて椅子を倒す。
「バックシャンプーなんでフェイスガーゼかけないんですけど、大丈夫ですか？」
和「別になくて良いよ」
「じゃぁこのままシャンプーしますね。多分また最後にシャンプーすると思うんで、今回は軽めにスタイリング剤が落ちるくらいで洗いますね」
そう言いながらシャワーで髪を流して行く。
シャンプーなんてもう何年も、それこそ数えきれないほどやってるけど…何でだろう。
今日はちょと緊張する。
和「ねぇ」
「はい？何ですか？あ、力加減はどうですか？」
和「大丈夫。それより何でJにはタメ口なの？年上だし、一応この店のオーナーでしょ？」
「あー、潤くん…昔からの知り合い何です。知り合いと言うか…血は全く繋がってないけど、親戚的な？」
和「そうなの？」
「話せば長くなるんですけど、そうなんです。小さい頃は近所に住んでたんで良く遊んでたんですけど、私が引っ越しちゃって…再会したのもこのお店で何ですけど」
和「ふーん」
「あ、でも一応オーナーとスタッフなんで、仕事中はもちろん敬語ですよ？」
和「いや絶対タメ口になってるときあるでしょ」
「それは…否定出来ないのが悔しい…です」
和「別に敬語じゃなくていいよ」
「え？」
和「俺、Jと同い年だし、タメ口でも気にしない」
「じゃぁ…お言葉に甘えて…」
何故か和くんに対してタメ口で話すことになってしまった。
どうしてこんな事になった？？
でも何だか少し距離が近くなった気がして、ちょっと嬉しい…なんて言ったら引かれるかな？
「お椅子起こしますね」
シャンプーを流して椅子を起こす。
セット面にご案内して髪を乾かして行く。
「和くんの髪って見かけ通りふわふわ」
和「そう？良くわかんないわ」
初めて会った時も思ったけど、実際触ると凄くふわふわ。かと言ってクセがあったりとても柔らかい！！って感じじゃなくて。
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作者名：白ネコ | 作成日時：2019年11月20日 17時
