動き出した歯車 ページ21
時が経つのは早いもので、あの日から数ヶ月経った。
春の暖かな陽射しがが今や夕焼けが綺麗な秋空。
あれから何度かLINEのやり取りはしたものの、当たり障りのない会話で会うこともなく、LINEの回数もだんだんと減って行った。
そして1ヶ月前に送ってから、そのまま会話は止まった。
まぁ…そんなもんだよね。
私もユキちゃんとは頻繁に連絡取るけど、他の友達は数ヶ月ぶりとか良くあるし。
それに今月末にはコンテストがあって忙しい。
今回私はモデルさんと協力して出場するから、準備もなかなかにハードだ。
お店のスタッフもほぼ全員出場するし、オーナーの潤くんはコンテストこそ出ないけどショーに出るからとても忙しそう。
それでも私達にもアドバイスくれたり、相談に乗ってくれるから本当に…大丈夫なのかな？
なんて物思いにふけていたら潤くんに呼ばれた。
J｢Aー。今日ってモデルさん来る日だっけ？｣
｢その予定だったけど、急に補習が入ったらしくてなくなりました。｣
J｢そっか。じゃぁ今日はもう店閉めたら帰る？｣
｢んー。ちょっとスタイルが納得行かないから、ウィッグ作ろうかなって思ってました。｣
J｢じゃぁさ、ちょっと手伝ってくれない？｣
｢良いけど‘、何するの？｣
J｢今日、ショーモデルしてくれる知り合いが来るんだけど、客観的な意見が欲しい｣
｢えー。オーナーの潤くんにアドバイスすることなんて…滅相もございません。｣
J｢その知り合い、昔からの仲だから俺のイメージと第一印象のイメージがたぶん全然違うはず。だからそこを修正したい。｣
｢そう言う事だったら…力になれるか分からないですけどね！！｣
J｢いやいや。お前ってたまにすげー角度から見てるから、マジで助かるよ。晩飯くらいなら奢ってやるよ。｣
｢やったー！！潤くんの行くお店って本当に美味しいから楽しみ！！｣
大衆居酒屋さんも美味しいし好きだけど、たまにはオシャレなレストランや隠れ家的なご飯屋さんも行きたい。
だって女の子だもん。
でも流石に1人で行く勇気はない。
J｢店閉める時間に来てもらうように言ってるから、それまで裏で休憩してていいよ。来たら呼ぶし｣
｢はーい｣
って言ってもあと30分くらいか…。ヒマだな…。
ちょっとだけスタイル作ろうかなぁ。
そうと決まれば準備しよ！！
ウィッグはあれを使えば良いから…クランプ何処やったかな？
あ、あった。よし。やろう！
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作者名：白ネコ | 作成日時：2019年11月20日 17時
