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和也｢ちょっと待って、相葉さん｣
｢なにー？｣
ちょっとタバコ吸って来ますねーついでにA借りてくねー。はい飲み物持って、行くよー
って言いながら手を引っ張ってテラスに連れ出された。
ユキちゃんと相葉さんは気にする様子もなく行ってらっしゃーいって手を振って、また話始めた。
和也｢ここなら日射しもキツくないし大丈夫でしょ｣
テラス席の影になってる場所に座って、タバコに火をつけた。
和也｢いいよ。さっきの続き｣
白煙をフーっと吐きながら言った。
｢二宮さんはさっき、友達を褒めて相手の意識を逸らすって仰いましたけど。私はそんなつもりなくて…純粋にユキちゃんのネイルとかメイクとか、凄いって思ってて…｣
ユキちゃんは本当に凄いと思う。
学生の時からいつも一緒で切磋琢磨してきた。
2年の夏休み明けに国家試験の課題が発表されて、毎日一緒に練習もした。
でもその頃からユキちゃんの手荒れが酷くなって来た。
病院には行ってるみたいだったけど、どうしても実習とかでシャンプーやパーマ液で荒れちゃってた。
お医者さんにも美容師になるのは諦めた方が良いって言われて、その日は2人で泣いた。
でもユキちゃんはちゃんと前を向いて歩いてた。
ここまで頑張ったんだから！！って言って、国家試験を受けて免許を取った。
どうしても美容に携わりたいって気持ちは諦められなくて、美容ディーラーになった。
｢だからユキちゃんは本当に綺麗で格好良いんです｣
和也｢羨ましいね｣
｢何がですか？｣
和也｢Aにそんなに思われて｣
｢そ…ですか？｣
和也｢そうだよ。大人ってさ結構、損得勘定で動いちゃうでしょ。でもAは柏木さんの人間性が好きでしょ？｣
｢でも、二宮さんと相葉さんもお互い大事な関係ですよね？｣
和也｢んー。そうかもね｣
そう言って二宮さんはタバコを吸って、灰皿に押し付けた。
少し耳が赤くなってるから、照れてるのかな？
和也｢そろそろ中入ろっか｣
｢そうですね｣
二宮さんがドアに手をかけて振り向いた。
和也｢和で良いよ｣
｢え？｣
和也｢名前。二宮って呼びにくいでしょ？にのみゃぁってなってる。だから和で良いよ｣
｢あ…っと…すいません。では和くん…で良いですか？｣
和也｢んー呼び捨てで良かったけど、まぁいっか。それで｣
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作者名：白ネコ | 作成日時：2019年11月20日 17時
