内緒話 〜父と母と一虎と俺〜 ページ47
俺、松野冬真、9歳
父は松野千冬
ペットショップの経営者
母はA
時々、大寿の会社で秘書っぽい仕事をしている
1番のダチは羽宮一虎
父さんの店の従業員兼俺の友達
顔も服もピアスも刺青も愛機のケッチも、全部カッコいい
ソンケーしてんのは、場地圭介
写真でしか見たことねぇけど、父さんがソンケーしてるって言うから、俺もソンケーすることにした
父さんたちが俺の誕生日ケーキを受け取りに行った
俺は一虎とテレビゲーム中
なかなか一虎には勝てなくて、いつも悔しい思いをしてる
一虎は俺が生まれた時から、ずっと兄貴みたいに近くにいてくれる
相談とかもしやすいし、とりあえず、普通に好きだ
でも、前から気になってることがある
冬真
「なぁ、一虎…?」
一虎
「ん?」
冬真
「一虎って、母さんのこと好きなの?」
そう聞くと、コントローラーも持つ手が一瞬止まった
一虎
「そーだなー…
好きだったなぁ…」
冬真
「過去形?
母さんは父さんと結婚しただろ?
なんとも思わなかったの?」
一虎
「お前、自分の親の恋愛話聞きてぇの?
変わってんなー」
笑い飛ばされた
てか、はぐらかされた
冬真
「ち、ちげーよ!」
一虎
「…まぁ、強いて言えば、だけど
千冬のこともAのことも、同じくらい好きだからなー
その2人が一緒になるなら、いっか、って思った
おかげで、俺は冬真ってゆう弟分ができたわけだし」
冬真
「…ふぅん…」
一虎
「なんか、納得してねぇな?
言いたいことあるなら言ってみろよ
ちゃんと聞いてやるから」
冬真
「…俺…
父さんと母さんの1番じゃねぇんだ…」
一虎
「ん?」
冬真
「母さんが出かける時はいっつも父さんも一緒に行くんだ…
母さんの1番は父さんで、父さんの1番も母さんで…
俺、2人の1番になれねぇ…」
一虎
「バカだな、そんなことか」
冬真
「そんなこと、じゃねぇよ…」
気付くと、ゲームをする手が止まっていた
一虎
「千冬もAも、1番大事なのは冬真だよ
俺はずっとあの2人を見てきたから、わかんだよ
まぁ、千冬がAのいく先にいつも着いて行くのは…
お前がもう少し大人になったら、千冬から聞けよ
理由はちゃんとあるからな
今日の誕生日だって、Aはお前が好きなもんばっか準備してたぞ
お前、ちゃんと愛されてる
俺の言うこと、信用できない?」
…一虎の言うこと、信用できる
俺、父さんも母さんも一虎も
みんな大好きだ
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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年12月5日 18時