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千冬と冬真が子供部屋から出てきた
冬真はトラくんのとこに真っしぐら
冬真
「一虎っ!
はやくゲームしようぜ!
今日は負けねぇからなっ!」
一虎
「ちょっと待ってろよ
今Aの手伝いしてんだから」
A
「ここまでやってくれればもう大丈夫だよ、トラくん
私も、予約してあるケーキ取りに行かなきゃならないし
冬真と遊んでて」
冬真
「ほら、母さんがそう言ってんだからいいだろ!」
そう言いながら、冬真はトラくんを子供部屋に引っ張って行った
千冬
「あいつ、ホントに一虎くんのこと好きだな…」
A
「歳の離れたお兄ちゃんって感じかな、きっと
私、ケーキの受け取りに行ってくるからお留守番お願いね」
千冬
「1人で?
車出すぞ」
A
「車で行く距離じゃないし、すぐ近くだから大丈夫」
千冬
「…なら一緒に行く
できるだけ、1人にならない方がいい」
着替えてくる、と言って千冬は寝室に向かった
さっき部屋着に着替えたばっかりなのに…
あの梵天の件から、千冬は私が1人で出歩くのを極端に嫌がるようになった
心配してくれているのはわかっているけど…
多分、もう大丈夫だと思う自分もいる
だって、もうマイキーくんはいないから…
そして、武道くんも…
武道くんは自身の結婚式を数日後に控えていたある日…
突然亡くなった…
マイキーくんと一緒に…
ヒナちゃんはしばらく立ち直れなかった
そして、トラくんもひどく落ち込み、しばらく話もできない状態だった
聞けば、マイキーくんの居所を探して周り、アジトを見つけ、武道くんに教えたらしい
そしてその後、彼はマイキーくんと一緒に亡くなった…
なぜ、武道くんがマイキーくんを探していたのかはわからない
千冬も、しばらくは放心状態だった
時々独り言のようにブツブツと何かを言っていることがあった
『マイキーくんがトリガーになって、過去に戻ってれば…』
と…
どうゆう意味かはわからないし、教えてくれなかった
それからあっという間に9年という月日が経った
千冬
「支度できた、行けるぞ」
A
「ぁ、うん…
トラくんに声かけてくるよ」
子供部屋のドアを開けると、2人はテレビゲームに夢中
A
「冬真、トラくん
パパと近くのケーキ屋さんに行ってくるからお留守番お願いね」
一虎・冬真
「「おぅ、わかった!」」
視線はテレビに向けたまま、2人の声が揃った
ホント、仲良しだなぁ…
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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年12月5日 18時