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Aと付き合っていた期間は短かった

半年もなかったと思う

思い返せば、付き合っている間の思い出は、あまりない

俺の彼女

そうなった途端、俺は今までと同じように、東卍メンバーとバイクに喧嘩に集会に明け暮れた

付き合ってんだから、そう簡単に離れたりしないだろうと思って…

次の抗争が終わったら、ちゃんとAと向き合おう

どっか行きたいところあったら、バブで連れてってやろう

なんて思っていた

なのに、ある日突然、Aに言われた

『万次郎のこと、ちゃんと好きになれなかった
 ごめんなさい』

振られるのは、当然と言えば当然だ…

でも別れる時、Aは俺を責めなかった

一緒に登下校したいとか、買い物付き合えとか、言われたことはなかった

後から考えてみたら、そうゆう普通の中学生カップルみたいなこと、なかったな…

場地には散々文句を言われた…

あんだけAに付き纏っておいて、このザマか

Aを任せるなら一虎のが百倍マシだ、と…

きっと、俺が知らないとこで、Aは場地にいろいろ話してたんだろうな…

あのとき、大事にしてやれなくて悪かった…

俺は、自分のことばっかり考えていた

東卍をデカくすることばっか考えてた

俺が望んだ彼女というポジションにいてくれたのに、俺はなにもしてやれなかった







だから、これは…

その時の罪滅ぼし

お前のその記憶力と人を見抜く力、コミュニケーション能力

経済界でもあっという間に名前が広がり、多くの犯罪組織がお前を狙っていた

奴らが手を出さなかったのは、お前の会社が日本屈指の企業だからだ

それに、お前に何かあった時、お前が抱えている経済界の大物たちは黙っていない

だから、ずっと、遠くからお前をみてた

それだけでよかった

でも、お前が会社を辞めるとなったとき、事態は一変

俺が言うのも何だが、ヤバい奴らがお前を狙っている、という情報が入った

すでにカタギの千冬に、Aは守れない

だから、俺がお前を守ってやる

梵天にいれば、お前は他の奴らに狙われることはない

ただでは幹部連中がうるせぇから…

時々、お前の持ってる力を梵天に貸してくれるだけでいい

梵天にいることが、お前にとって安全で、幸せなんだ…

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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年12月5日 18時

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