思い出×約束=罪滅ぼし ページ23
突然、三途が私を呼びにきた
そしてリビングへ行くと、マイキーくんが待っていた
ガラス張りの窓からは都内の夜景がキラキラとしている
手をポケットに入れて、その夜景でも見ているのだろう
彼は私に背を向けたまま
万次郎
「三途、席を外してくれ
Aと2人で話がしたい」
三途
「…りょーかい…」
三途は部屋から出て行き、マイキーくんと2人
万次郎
「…ここに来て、生活には慣れたか?」
A
「…いいえ」
万次郎
「…そうか…
…なぁ、お前の幸せって、なんだ?」
私の、幸せ…?
万次郎
「わかんねぇんだ…
金、名誉、権力…
お前が欲しいものはなんだ?
何を与えれば、お前は満足する?」
こちらを振り向く彼は、悲しそうな瞳をしていた
この人は、心がからっぽになってしまっている…
満たされない心を、もので埋めようとしている…
それが幸せだと思っているんだ…
A
「…何もいらない…
私はただ…
彼の…、千冬の支えになりたい
それが、私の幸せ…」
万次郎
「…なら、千冬をここに連れてくれば、それで満足するか?」
A
「…そうじゃない…
違うよ…、万次郎…」
万次郎
「…じゃぁ、なにが足りねぇんだ…
俺、お前には笑っててほしい
昔、場地と約束したんだ…」
A
「…約束…?」
万次郎
「絶対に泣かせたりしねぇし、ちゃんと守るから、って」
A
「そんな、昔のこと…
私が中学1年生のときのことでしょ…?
付き合ってたのだって、半年くらいだったし…」
子供の頃の、淡い思い出
圭介くんの幼馴染だった万次郎とは、東卍設立時に何度か会ったことがあった
その時、私はまだ小学生だった
中学に入って、久しぶりに会ったら、急に付き合ってほしいと告白されたけれど、丁寧にお断りをしていた
それでも、何度も顔を合わせて付き合ってほしいと猛アピールされ、根負けした
それを圭介くんがどう思っていたかは、わからない
付き合い始めたものの、万次郎の頭の中は東卍のことがほとんどを占めていたと思う
他の中学生カップルみたいに一緒に登下校したり、買い物したりした記憶もほとんどない
結局、付き合うとは名ばかりの状態が続き、私の方から別れを切り出した
根底には、私自身が付き合うってゆうことがよくわからなかったのと、万次郎を本気で好きになるに至らなかったから…
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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年12月5日 18時