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全員が揃い、席に着いたところで、鶴蝶が話し始めた

各幹部の現状報告がほとんど

私がこの場にこんなにも着飾っている必要があるのか…

そう思った時だった

鶴蝶の視線が私に向いた

鶴蝶
「最後に、場地A…
 先日も話した通りだ
 梵天のため、記憶している全ての顧客情報を提供しろ
 そして必要な時はその顧客と接触、交渉し梵天に尽くせ
 お前は、梵天の記憶媒体としてあり続けろ」

A
「…どうして、私が…」

犯罪の片棒を担げということか…

万次郎
「A…
 ここにいれば全ての生活を保証すると前に言った
 それは変わらねぇ
 悪くねぇだろ」


「確かに悪くねぇな」

A
「…お断りします」

はっきりそう言うと、ピンクの長髪の男がテーブルを大きく叩いた

そして、席を立ってわたしの後ろに立つと、持っていた日本刀を振りかざした

三途
「てめぇ、いい気になるなよ
 マイキーの言うことは絶対だ
 お前に拒否権はねぇ
 マイキーに従え、場地A」

背後から日本刀を突きつけられても、なぜか恐怖はなかった

万次郎
「…やめろ、三途
 A、お前が俺に協力できねぇ理由はなんだ?」

A
「…犯罪集団の片棒を担ぐことはできません
 それだけ」

三途
「それ以上言うならマイキーが許しても俺は許さねぇ
 犯罪集団だと?
 撤回しろ」

A
「しません」

三途
「マイキーを侮辱するな」

膝の上に置いた拳に力が入り、ふと、圭介くんの顔が浮かんだ

やってることは破天荒だったけど、それには理由がいつもあった

筋が通らないことを何より嫌っていた

私も、そうでありたい…

A
「私は、お前たちに協力はしない
 お前たちには絶対に屈しない」

そう言うと、怒りを露わにする三途と呼ばれた男

逆に、灰谷蘭は不敵な笑みを浮かべていた


「いーね、気に入った
 マイキー、この女のこと、俺に任せろ」

三途
「灰谷!テメェなに勝手に…ーー」

万次郎
「三途、落ち着け
 Aのことは蘭に任せる
 ただし、変なマネするなよ」


「…りょーかい」

鶴蝶
「場地A…
 前にも言ったが、大切なものを守りてぇなら、マイキーに従え
 お前さえ言うことを聞けば、松野千冬には手をださねぇ」

A
「…そうやって千冬を人質にして…
 お前たちは卑怯だ…」



万次郎
「…なんか、目の前に場地がいるみてぇだ…」

ぼそっと、マイキーがそうつぶやいた

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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年12月5日 18時

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