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頭が痛い
起き上がるのが億劫…
少し目を開けると、見知った場所でないことに気が付いた
寝慣れた自分のベッドでもない
何が起きたのかわからず、心臓がドクドクと鳴るのがわかった
体を起こすと、知らない部屋
広い部屋にあるのは自分が眠っていたクイーンサイズのベッド
それから、化粧台とパソコンデスク
場所はどうやら高層ビルかマンションのようだ
窓というより、一面がガラス張りになっていて、夜景が広がっている
服は退社した時のまま、ベッドの脇にはその時に持っていたバッグが置いてある
A
「…ここは…、どこ…」
いま、何時だろう…
帰ったら千冬とお疲れ様会しようと話していたのに…
すると、ガチャっと、扉が開く音がした
白髪の小柄な男
??
「目が覚めたか、場地A」
A
「…誰ですか
それに、ここはどこですか」
??
「ガキの頃に何度か会ったけど、忘れちまったか?
佐野万次郎だ」
A
「…まい、きー…?」
万次郎
「そう、久しぶりだな
最後に会ったのは、場地の葬儀のときだったな…」
信じられなかった
あの頃の面影なんてどこにもない
あの頃のマイキーくんは、キラキラしてた
情に厚くて、優しい目をしてたのに
目の前の彼は、冷たく人を寄せ付けない拒絶をする目をしている
万次郎
「手荒なマネをしてここまで連れてきて悪かった
今日のところはここで休んでろ
明日、また来るから」
A
「待ってください!
なんで私が…?
私はただ家に帰ろうとしていただけです
千冬が…、待ってる…」
そう言うと、マイキーくんは私にスマホを投げた
目の前に投げられたのは私のスマホ
万次郎
「無事なことだけ伝えろ
誰といるか、どこにいるかは言うなよ
千冬を巻き込みたくないなら、な…」
A
「どうゆうこと…?」
万次郎
「今は詮索もするな
言われたようにしてればいい
何かあれば、隣の部屋に幹部を待機させておくから言え」
なんの状況も説明されないまま、彼は部屋から出ていった
わかるのは、ここが普通の一般社会とは切り離された世界だということ
マイキーくんの目は、普通の人のそれではなかったから…
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神奈月(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。お話は佳境ですが、みなさんに楽しんでもらえるようにがんばります。 (2022年11月27日 7時) (レス) id: d80d51a44f (このIDを非表示/違反報告)
あい - いつも更新を楽しみにしています。千冬と一虎、これからヒロインとどんな結末が待ってるのかとても楽しみです (2022年11月26日 16時) (レス) @page39 id: c280eab537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年11月1日 13時