明かされる、お前の秘密 ページ34
Aが、帰ってこない…
確かに今日は仕事が最後の日
多少遅くはなるだろうとは思っていた
でも、もう21時を回っている
電話にも出ない
どうしようもない不安に駆られ、Aの会社に出向いた
退社時間を聞くと、かなり前に会社を出たらしい
どこに行ったのか見当もつかない
家に一度戻っても、帰ってきた形跡はない
まさか、一虎くんのところか…？
いや、そんなはずない
そうは思っても不安を拭うため、一虎くんに電話をする
数コールで出てくれた
一虎
『千冬？どーした？』
千冬
「一虎くん、A、知らねぇ…？」
一虎
『A？
今日仕事最後の日だろ？
まだ帰ってきてねぇの？』
千冬
「…とっくに会社から出たはずなのに、まだ帰ってきてねぇんだ
電話にも出ねぇし…
もしかして一虎くんのとこにいんのかと思って…」
一虎
『いや、来てねぇし、連絡もねぇよ
お前だってわかってるだろ？
俺のとこに用事あって来るなら絶対にお前に言ってから来るはずだし』
千冬
「…だよな…」
一虎
『…千冬…
前みてぇなケンカとかじゃなくて、マジで言ってんの？』
千冬
「わかんねぇけど、なんか、いつもと違う気がすんだ…」
ソファに腰掛けると、急に体の力が抜けてきた
なんで、帰って来ねぇんだ
なんで電話に出ねぇんだ
わかんねぇよ
一虎
『…俺も思い当たるとこ探してみるから
また連絡する』
わかった
そう返事をして、一度電話を切った
家の中、Aの荷物は今朝のままだ
仕事帰りに、一体何があったんだ…？
Aが行きそうなところは全部探した
日付が変わる頃、一虎くんもあちこち探してくれたが見つからなかったと、家まで来てくれた
ちょうど同じくらいのタイミングで、スマホが震えた
Aからのメッセージは一言だけ
『私は大丈夫、ごめんね』
千冬
「…わかんねぇ…
意味わかんねぇよ！
大丈夫ってなんだよ！
ごめんってなんだよ！」
思わずスマホをソファに投げつけた
一虎
「千冬、ちょっと落ち着けよ！
とりあえずAは無事みてぇだし…」
千冬
「電話で本人の声聞いたわけじゃねぇ！
こんなメッセージ、スマホ開ければ誰だって送れる！
こんなんで無事かどうかなんてわかんねぇ！」
一虎
「確かにそうだけどよ…
なぁ、まずはお前が冷静になれよ
今、何をすべきか、考えろよ」
俺が、今すべきこと…
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神奈月(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。お話は佳境ですが、みなさんに楽しんでもらえるようにがんばります。 (2022年11月27日 7時) (
レス) id: d80d51a44f (このIDを非表示/違反報告)
あい - いつも更新を楽しみにしています。千冬と一虎、これからヒロインとどんな結末が待ってるのかとても楽しみです (2022年11月26日 16時) (レス) @page39 id: c280eab537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年11月1日 13時
