最後の商談？ ページ29
久しぶりの、大きな商談
いつもと違うのは、ただの商談ではない、ということ
普段のスーツスタイルではなく、フォーマルなドレスを纏う自分
先方の指定したとある高級レストランのVIPルーム
通されたその部屋に、一際目立つオーラを放つ人物
A
「大変ご無沙汰しております
お待たせしてしまい申し訳ありません、柴社長」
大寿
「来たか、場地A
まぁ、まずは座れ」
柴大寿社長はいくつも飲食店を経営する実業家
私とそんなに歳は変わらないはずなのに、ものすごい威圧感
A
「はい、失礼します」
私が椅子に腰掛けると、柴社長も向かい側の席に腰を下ろした
そして、部屋にいた側近たちを全員下がらせた
A
「人払いまで完璧にされて…
相変わらず、警戒心はお強いようですね」
大寿
「せっかく俺の店に招待してやったのにもう仕事モードか」
A
「仕事中ですから
ぁ、お酒はいただけませんよ」
ワインボトルを手にした柴社長を制すが、彼はその手を止めない
大寿
「堅いこと言うな
建前上、会社を通して依頼してるだけだ
そっちの社長も承知してる」
A
「…それで、こんな人払いまでして、どんなお話でしょうか？」
大寿
「食事もしないうちにそんな話か
…まあいい」
そういうと、パサっとテーブルに写真を出した
60代ほどの男性だ
大寿
「この男を知っているな？」
A
「もちろん、経済界で知らない人はおりません
神奈月ホールディングスの会長ですね
最近は社長職をご息女に譲られて会長になられたと…ーー」
大寿
「んなことは知ってる
俺が知りたいのは、お前がこの男とコンタクトがとれるか、ってことだ
俺は今やってるプロジェクト絡みで、どうしてもこの神奈月と接触し、取引がしたい
だが、この男は初対面の人間は門前払い
うまく取引するには偶然を装い親しくなり、懐に入るしかない
そこで、人脈が広いお前の力を借りたい
うまく接触さえできればそれでいい
あとの交渉はこちらがやる
悪い話じゃねぇはずだ」
A
「…あいにくですが、神奈月会長とコンタクトをとれるか、ということに関しては、お答えできかねます
大切なお取引先様の情報を、どんな内容であっても口外致しません
私からお話できることはございません
ご用件が以上でしたら、私は失礼させていただきます」
私が席を立つと、柴社長は豪快な笑いを始めた
A
「…何か…？」
大寿
「やはりお前を選んで正解だ」
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神奈月(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。お話は佳境ですが、みなさんに楽しんでもらえるようにがんばります。 (2022年11月27日 7時) (
レス) id: d80d51a44f (このIDを非表示/違反報告)
あい - いつも更新を楽しみにしています。千冬と一虎、これからヒロインとどんな結末が待ってるのかとても楽しみです (2022年11月26日 16時) (レス) @page39 id: c280eab537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年11月1日 13時
