やきもち ページ24
偶然、見てしまった…
千冬が、すらっと背の高い綺麗な女性と歩いている現場を…
仕事で商談先から帰社する途中
本来、仕事中のはずの彼の姿
その人、誰…？
なんでそんなに、楽しそうな顔してるの…？
心をえぐられるような痛み
時間が少しでもずれれば、見ることもなかったのに…
仕事はあまり手につかず、ほぼ定時で終わらせた
でも、帰ったら嫌でも千冬と顔を合わせることになる
どうしようかと考えた
結果、千冬が帰ってくる前に寝てしまおうという、考えに至った
あきれるほど子供のような発想だけど、それしか思いつかない
定時で終わって、急いで帰り、適当に夕飯の支度をする
温めればいいだけにしておいて、私は寝室に向かった
これではただの不貞寝だ
それでも、今は千冬の顔を見たくない
食欲もない
目を閉じても、千冬とあの人が並んで歩く姿が離れない
そんな時、玄関のドアが開く音がした
千冬が帰ってきた…
一度リビングに向かう足音が聞こえて、そのあとすぐ、寝室のドアが開いた
千冬
「ただいま
どうした？調子悪い？」
A
「…少し…」
その声色から、本当に体調を心配してくれているのがわかる
千冬に背を向けてるから、どんな顔をしてるかはわからない
ギシっと、ベッドが軋む音がして、彼がベッドに腰掛けた
千冬
「そぅか…
ゆっくり休んでろよ」
軽く頭を撫でて、千冬は寝室を出て行った
不貞寝してます、なんて言えない…
それから数日
いつも通りに生活しているつもりだった
千冬に仕事が終わったらお店に寄ってほしいと言われ、定時で終わらせてお店に向かった
お店のドアが開くと、いつもとは違う賑やかな声が聞こえた
親しげな感じの、女性の声
？？
「ホント、千冬くんのそーゆーとこは変わんないねー」
千冬
「って、いつの頃と比べてんだよ」
？？
「だから、そーゆーとこだよ」
キラキラしたような、子どもみたいな笑顔をみせる千冬
…あんな千冬の顔、みたことないかも…
声をかけられずにいると、千冬が私に気が付いた
千冬
「ぉ、来てたのか
来たなら声かけろよ？」
そんな千冬の視線と、私の方を振り返る女性
長くて栗色の髪がキラキラなびいてて…
すらっとした長身で…
方や私は真っ黒で少し癖のある髪に、くすんだような茶色の目
？？
「その子が噂の？」
千冬
「噂って…」
A
「噂って、何…？
来るんじゃなかった…」
思わず、お店を飛び出した
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神奈月(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。お話は佳境ですが、みなさんに楽しんでもらえるようにがんばります。 (2022年11月27日 7時) (
レス) id: d80d51a44f (このIDを非表示/違反報告)
あい - いつも更新を楽しみにしています。千冬と一虎、これからヒロインとどんな結末が待ってるのかとても楽しみです (2022年11月26日 16時) (レス) @page39 id: c280eab537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年11月1日 13時
