検索窓
今日:13 hit、昨日:5 hit、合計:32,141 hit

38 ページ38

武道
「千冬、大丈夫か…?
 …なわけねぇよな、悪りぃ…」

千冬
「…いや…、こっちこそ急に呼んじまって…」

一虎くんに今何をすべきか、と言われた翌日

俺はタケミっちに連絡をとった

Aが帰ってこないことを伝えると、すぐに橘直人を連れて俺の家に来てくれた

武道
「…店の方は、一虎くんが…?」

千冬
「…うん、とりあえず1人でやってくれるって…」

武道
「…にしても、千冬すげーな
 こんないいマンションに住んでんの知らなかったぜ
 部屋片付いてるし、このコーヒーもさっき豆から挽いてたよな
 なんかオシャレな生活してんなー」

千冬
「俺1人だったらこんなに片付いてねぇよ
 いつもAが片付けたり掃除してくれてた
 コーヒーも、Aがやってたのを見よう見真似で…」

カップに触れると、冷め始めていた

重たい空気感の中、橘直人が口を開いた

直人
「Aさんの手がかりは何もないんですか?」

千冬
「…ねぇよ…、なんも…
 タケミっちに連絡したのは他でもねぇ…
 Aの手がかりを掴みたいからだ…
 お前、前に言ったよな?
 お前が見てきたどの未来にもAは東卍にいたって…
 堕ちないように、って…」

武道
「…言った…」

千冬
「正直、俺が知らない俺たちの世界線を聞くつもりはなかった
 でもAがいなくなって…
 わかんねぇけど、もしかしたらお前が見た未来に向かってるかもしれねぇ…
 だから、知りてぇんだよ、俺が知らない俺たちの未来
 そこになんか手がかりがある気がすんだ…」

タケミっちも直人も黙ってしまった

しばらく続く沈黙

時計の針が動く規則的な音だけが部屋に響いた

直人
「…松野くん、君にとっては聞きたくない、辛い話になります
 それでも、聞く覚悟はありますか?」

武道
「直人っ…!
 そんな話しても…」

直人
「タケミチくん、これは僕の推測です
 松野くんの言う通りの世界線に向かっているかもしれない…」

千冬
「タケミっち、直人…
 俺、覚悟はできてる」

直人
「わかりました…
 僕たちが見て、聞いた、今とは違う世界線をお話します」

武道
「…辛くなったら、言えよ?」

千冬
「…わかった」


直人
「別の世界線で、僕が初めて彼女に会った時…
 彼女はこう名乗りました」


『羽宮A』


ドクンと心臓が大きく鳴り、嫌な汗が伝った

39→←37



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
96人がお気に入り
設定タグ:東京リベンジャーズ , 松野千冬 , 羽宮一虎   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

神奈月(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。お話は佳境ですが、みなさんに楽しんでもらえるようにがんばります。 (2022年11月27日 7時) (レス) id: d80d51a44f (このIDを非表示/違反報告)
あい - いつも更新を楽しみにしています。千冬と一虎、これからヒロインとどんな結末が待ってるのかとても楽しみです (2022年11月26日 16時) (レス) @page39 id: c280eab537 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:神奈月 | 作成日時:2022年11月1日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。