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花垣A、26歳
職業は歌手
つい先日、長く付き合っている千冬にプロポーズされて、もちろん答えはよろしくお願いします、だった
事務所には報告も済ませた
マスコミやファンへの報告は、時期を見て、と言われた
前の世界線では、千冬と結婚なんて考えられなかったもんなぁ…
この世界線では、千冬はペットショップの経営者になっていた
どうやら、場地さんの夢を繋ごうとしているらしい
今は一虎さんと毎日仲良く?仕事をしている
タケミチとタイムリープして掴んだこの世界線
マイキーくんや場地さんがいないのは寂しいけれど、みんな前向きに日常を送っている
前の世界線で、千冬とは悲しい別れ方をした
でも今回は、そんなことはないはず…
千冬と結婚して、温かい家庭を築きたい…
そのために、今日はオフを利用して夕飯の支度をしてみた
普段、忙しくて私は外食ばかりで、料理は苦手…
ようやく完成したのはカレー
味は悪くない、はず…
時計を見ながら、千冬が帰ってくるのが待ち遠しい
千冬
「ただいまー」
A
「おかえり」
千冬がネクタイを緩めながら、リビングに入ってきた
千冬
「悪い、ちょっと接客で時間かかっちまって、遅くなった」
A
「遅くなった、ってほど待ってないから大丈夫
着替えたら座って」
千冬
「夕飯、カレーだろ?
玄関開けたらすぐわかった」
A
「そか、匂いでバレちゃったかぁ…
まぁ、私が作れるものなんてこのくらいしかないから…
結婚までには、もう少しレパートリー増やせるようにがんばるよ」
千冬
「ま、その辺はほどほどにな
お前だって忙しいのわかってっから」
そう言いながら、ぎゅっと抱きしめてくれる千冬
A
「…会えるの、2週間ぶり、かな…
1ヶ月くらい会えないときもあったから、それに比べたらまだいい方だけど…」
千冬
「…結婚したら、毎日同じ家に帰ってくるんだよな…
今よりかは、一緒にいる時間、増えっかな…」
着替えてくる
そう言って千冬は寝室に向かった
なんか、新婚さんみたいな会話がくすぐったい
これから先もずっと、こんな生活が続くと、思っていた…
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作者名:神奈月 | 作成日時:2023年11月5日 13時